ユニーは、なぜ「驚安ドンキ」と手を組むのか 提携話を聞かされたユニー社長の本音とは?

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ユニーの佐古則男社長はドンキホーテHDとの提携話を聞いたとき「正直驚いた」と振り返る(撮影:田所千代美)

――提携の話を聞いたときに佐古社長自身は、どう受け止めましたか。

まずこの6月にユニー・ファミマHDの髙柳社長から、GMSのこれからを考えたときに、いろいろな企業と組むということを選択すべきではないかという提案があった。結果的に同業のドンキになったと聞いたときは、正直驚いた。私やユニーの社内が考えているよりも、親会社や投資家、お客様の見る目のほうが厳しいなと感じた。

――その時点では、ユニーを改革できる手応えを感じていたのですか。

(2021年2月期を最終年度とする)中期経営計画では前半の2年間(2017年度と2018年度)は守りの経営、3年目、4年目は攻めの経営をしようという考え方だった。

ユニーとドンキは来店目的が違う

MEGAドン・キホーテは2017年12月1日時点で国内118店を構える(ドンキホーテHD提供)

前半の2年間は選択と集中という考え方でやっている。赤字部門の解消や将来リスクの視点から、子会社の譲渡、店舗の閉店、売り場の拡大と縮小をやってきた。具体的には、衣料品と住居関連品の売り場面積を縮小し、余剰部分に欠落カテゴリーである専門店を導入してきた。

後半の2年間は消費増税も控えており、正直、売上高や利益を伸ばしていくのは難しいという認識はあった。結果的にドンキと提携することになったので、どのように彼らと組めばウィン・ウィンの関係ができ、ユニーの成長につながるかなという視点に考え方を改めた。

――ユニーとドンキの違いをどう分析していますか。

衣料、住居関連品、食料品を扱うという意味では、ユニーもドンキも同じだ。いちばんの大きな違いは、来店動機が目的買いか否かだ。

ドンキは、ユニーと違って来店動機が目的買いではない。あそこへ行けば楽しい買い物ができるというアミューズメント感覚が非常に強い。私がよく言うのは、buy(バイ)とshopping(ショッピング)。バイは買い物、家事の一部でやらされ感がある。ところがドンキの買い物はショッピングなので楽しく買い物ができる。ここがわれわれの学ぶべきところだと思っている。ユニーは残念ながらショッピングじゃなくてバイに近づいている。

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