横浜ゴムが学んだ、ローカル人材活用法 ストライキという危機を乗り越え、V字回復

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日本人駐在員(5人)も例外ではなく、同じようにプレゼンを全員に義務づけている。そのため、日本から派遣されてきたからと言って、悠然とローカルスタッフのプレゼンを聞くだけの参加は許されない。同じ条件でローカルスタッフとプレゼンを競わなければならないため、おのずと日本人駐在員の力も上がってくる。

ベトナムからグローバル人材を

ローカル人材の育成については小林氏には明確な目標がある。優秀なベトナム人をグローバル人材に育て上げることだ。

一般的に、日本企業の海外法人で採用したローカル人材を戦略的に本社で登用したり、ほかの海外拠点に有効活用したりするケースは少ない。その道筋をつくることこそが日本企業のグローバル化にもつながると小林氏は言う。

日本企業の間にはグローバル人材という言葉が、「英語でビジネスができる日本人駐在員」と置き換えられることが多いが、これでは一面的でしかない。いまは、ローカル人材も含めた適材適所のグローバル対応こそが切実に求められているのだ。

旧YTVCと統合して新生YTVIを誕生させたのを機に、営業力強化(ベトナム全土で代理店網の活性化)に加え、適正な人事評価と昇給などで社員のやる気を引き出し、YTVIは生き返った。

2010年から2012年5月までずっと右肩下がりで業績が落ちていたのが、2012年6月を境に業績が急上昇、13カ月連続で増販と増収増益の上昇カーブを描いている。営業利益率も3%から14%超と、まさにV字回復を果たした。この功績で小林氏は「社長賞」を受賞している。

ベトナムに進出する日本企業は、2013年3月時点でホーチミン日本商工会(会員数617社)、ベトナム日本商工会ハノイ(同510社)、ダナン日本商工会(同57社)などから推定すると、すでに1500社を超えている。

日本企業はベトナムでのローカル人材の活用度において欧米外資企業と比べると大きく遅れている。

「ベトナムでの優秀なローカル人材育成に成功すれば、いずれ横浜ゴムの東南アジア地域を任せられる重要スタッフに育ってくれるとみています。彼らには“フィリピンやタイなど、ほかの国でも指導できるくらいの人材に育って欲しい”と機会あるごとに話しています」(小林)。

(撮影:白水和憲)


 

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