シャープ、1部復帰で試される8KTVの本気度 韓国勢にどう挑む、有機EL戦略も注目集める
ただ、とくに一般消費者向けの分野において、8K市場の成長は当面限定的と見る向きもある。
4Kテレビは現在普及期にあり、店頭価格は50インチで15万円を切る場合もあり、一般消費者が手を出しやすい価格に下がってきた。ヤマダ電機やドン・キホーテをはじめ、生産委託による格安4Kテレビの発売も相次ぐ。
対して、シャープが日本で発売した8Kテレビは現在100万円。一般消費者の手が出る価格ではない。さらに、8Kの普及には放送局側の投資が欠かせないが、現状は4K向けの投資で余裕がない。
4K・8K放送はともに2018年12月から衛星放送(BS)で始まるが、4Kの先にある8Kテレビが普及するには時間がかかりそうだ。
有機ELで「日の丸連合」結成呼びかけ
シャープが8Kの展開を加速する中、世界の競合が注力しているのは、次世代ディスプレー、有機ELだ。現在、スマホ向けの小型パネルを安定供給できるのは韓国サムスン、テレビ向けなど大型パネルはLG電子と、韓国勢の独占市場となり、日本勢は後塵を拝している。
8Kを軸に打ち出す中で、シャープは有機EL参入へのスタンスについて繰り返し問われてきた。戴社長は今回も、かねてから表明していた、有機ELで「日の丸連合」を結成すべきとの考えを強調した。
12月5日、JDIグループのJOLEDが韓国勢と競合しない中型市場での、有機ELパネルの出荷を開始した。製造方法は「印刷方式」と呼ばれ、韓国勢の「蒸着方式」より製造コストは2~3割安くすむという試算もある。現在は、2018年3月中をメドにさらなる量産に向け国内外の複数社に計1000億円の出資を募っているところだ。ソニー、パナソニック、キヤノンなど、報道ではすでに複数社の名前が上がるが、シャープもそのうちの1社だ。
JOLEDへの出資には、各社の思惑が渦巻く。有機ELの量産には、莫大な投資が必要だ。電機大手のソニーとパナソニックは、
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