約100万円!有機ELテレビ続々発売のワケ 一般人が買える値段になるのは何年後か?
「国内メーカーが参入するとなると、さらに注目度は高くなる。ラインナップが増えれば売り場作りも変化させたい」――。
ビックカメラのテレビ担当者がこう期待を寄せるのは、今年、ソニー、東芝、パナソニックから発売が予定されている有機ELテレビだ。3社とも55インチ以上の大型で、国内の発売時期は東芝が3月上旬、パナソニックとソニーは未定だが、6月頃になるものとみられる。
有機ELテレビとは、有機ELパネルを搭載したテレビを指し、液晶に比べ薄型・軽量で省電力なうえ、画質がより鮮明である点で強みを持つ。ただ、生産技術が複雑であるため、現在量産しているのは韓国のサムスンディスプレイとLGディスプレイの2社のみだ。
普及のネックはやっぱり「値段」
サムスンはスマホ向け、LGはテレビ向けパネルを製造している。かつてソニーは有機ELパネルを自社生産し、世界初の有機ELテレビ「XEL-1」を2007年に発売したが、11インチで価格が20万円と高額だったため人気が出ず、2010年に生産を終了。有機ELパネルの製造からも撤退した。
そのため、ソニー・東芝・パナソニックの有機ELテレビに搭載されるパネルは3社ともLGディスプレイ製。3社は画像処理エンジンや音響システム、操作性などで差別化を図る方針だ。
期待の大きい有機ELテレビだが、普及のネックとなるのはやはり値段だ。東芝が発売予定の「X910シリーズ」は、予想実売価格が65型で97万円前後、55型で75万円前後となっている。ソニーの「BRAVIA A1E」とパナソニックの「TX-65EZ1000」は価格を公表していないが、メイン部品のパネルの調達先が同じであるため、大きな価格差はないものと予想される。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら