約100万円!有機ELテレビ続々発売のワケ 一般人が買える値段になるのは何年後か?

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「テレビの売れ筋サイズは45インチ~49インチ」(ビックカメラ担当者)だが、それらの価格が10万円台前半から半ばであることを考えると、高額な有機ELテレビを購入するのは一部の顧客層に限定されそうだ。

テレビ市場に詳しいIHSテクノロジーの鳥居寿一氏は「有機ELテレビの本格的な普及は2020年以降。販売台数は2020年に世界で500万台程度とみており、テレビ需要全体の2億~2億5000万台からするとごく一部」と話す。

それでも、メーカー各社が1月に行われた世界最大の家電見本市「CES」の目玉に据えたうえで発売に踏み切る背景には、止まらない液晶テレビ相場の下落がある。

4Kだけでは高価格を維持できない現実

2000年代後半以降、液晶テレビは儲からない家電の代名詞となってしまったが、2015年頃から4Kテレビが普及し始めたことで、一度は付加価値戦略に成功した。

ネット企業のDMMが家電ベンチャーと協力して発売したディスプレーは驚異的な安さだった(撮影:梅谷秀司)

しかし、その4Kでも価格下落も始まっている。ネット企業のDMM.comは11月、55型の4Kディスプレー(テレビチューナーなし)を約6万円、65インチは15万9900円(それぞれ税別)と驚異的な低価格で発売している。家電ベンチャーと協力し、シンプルな機能でコストを限界まで下げた製品だ。

販路は主にDMMの通販や楽天、アマゾンなどと限定的だが、発売1カ月で4ケタ台数を売り上げたという。4Kはすでに手の届く価格帯まで下がってきているのだ。

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