アメリカで学んだ尊敬されるリーダーの本質 家族を大事に、中間管理職でも高い目線持つ

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ですから、家庭内がメチャクチャになっていたり、家族の役割分担ができていなかったり、家族とのコミュニケーションが断絶したりしている人は、人生で最も重要なチームである家庭のリーダーシップが取れていない人です。

こういう人は、会社においてもリーダーシップを発揮できていない傾向があります。家庭は最小の社会。そこでのふるまいが会社でも再現されやすいというわけです。

家庭内でのリーダーシップを意識する

アメリカではどの家庭でも子どもは何らかの役割を与えられており、家庭内で決められたルールに従って行動することが求められます。

知り合いを家に招いて行うホームパーティでは、その家の奥さんがホステスとなり、パーティを切り盛りします。子どもたちにも料理や配膳をするなどの役割が与えられ、家族全員で招待客をもてなすのです。

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日本もだいぶ変わりましたが、まだまだ、男性は外で仕事、女性は家事育児をするという考え方が根強くあります。だからお互いに大変さがわからず、お互いがお互いの悩みを抱え、うまくいかなくなってしまう。そんなケースも多いようです。

私もアメリカに赴任するまで、残業をいとわない仕事人間でしたが、現地の社員に忠告されてからは、家族をチームとして考え、それまで以上に家庭内でのリーダーシップを意識するようにしました。

残業せずに、定時で仕事を終えるように意識し、今まで以上に子どもたちの世話や、家の用事をするように心掛けました。そうすることで、逆に仕事が忙しいときに私が家で仕事をすることを、家族全員で協力してくれるようになったのです。

社内でのリーダーシップを発揮したければ、その前に家庭でのリーダーシップを養う。私がアメリカ人から学んだ心得の1つです。

三木 相煥 技術経営コンサルタント

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みき そうかん / Sokan Miki

1957年、岡山県倉敷市生まれ。倉敷青陵高校、岡山大学工学部卒業後、東洋炭素入社。東洋炭素USAに出向時、効率に裏打ちされたアメリカ式マネジメントの圧倒的な生産性の高さを目のあたりにし、貪欲にマネジメントスキルを高める。2003年、最年少の45歳で東洋炭素の役員に就任。2014年、絆コーポレーション設立。リーダー育成・利益増大・品質向上の専門家として活動。

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