ただし株価への影響はネガティブかもしれない。それというのも、米国の株式市場は昨年11月のトランプ当選の衝撃以来、「減税期待」で上げ続けている。どうせなら減税が決まった後に株を売って、手取りの利益を厚くしたいのが投資家の人情というもの。ゆえに減税が決まったら株を売って利益確定、「期待で買って現実で売る」となる公算が大である。レーガン減税のときも、株は売られた故事があることを指摘しておこう。
日本の株価は、バブルと呼ぶには気が早すぎる
逆に日本市場の先行きは明るい。11月末時点の東証1部時価総額671兆円は、バブルのピーク期であった1989年12月末の611兆円を約1割も上回っている。と言うと驚く人が居るかもしれないが、これを当時の名目GDPと比較してみると、1989年末のGDPは415兆円なので時価総額は47%増しであった。一方、現在の時価総額は、名目GDPの546兆円と比較すれば23%増し。若干高めではあるけれども、バブルと呼ぶには気が早いだろう。
「えっ、でもあのときの日経平均は3万8915円もあったのじゃ?」と思ったあなた、それはその通りなのだが、日経平均という指標は2000年の銘柄入れ替えによって、それ以前との連続性がかなり壊れている。はばかりながらこの点は、日本経済新聞社に忖度して多くのエコノミスト、ストラテジストが沈黙するところである。しかるに日経平均という指標は、2000年以降は有効であるけれども、それ以前との比較は時価総額を使う方が賢明だ。「日経平均はバブル崩壊後の最高値をつけて…」みたいな記事は、ふふんと笑い飛ばす方がよろしかろう。
おそらく日経平均2万2000円台の株価は、多くの国内投資家にとって「こんな高値じゃ怖くて買えない」水準であろう。外国人投資家が、日本株を「持たざるリスク」を意識して目をつぶって買い進んでくると、思わず売り浴びせてしまう。結果として投資家のキャッシュポジションが高まっているので、さぞかし今年の年末商戦では高額商品が売れることだろう。
とはいえ、筆者の結論は「米株はベア、日本株はブル」。以下にご参考までに、最後に2018年の主要日程を掲げておく。
<2018年の内外主要日程>
・平昌冬季五輪(韓国、2月9日~25日)→北朝鮮問題はどうなるか?
・中国全人代(3月上旬)→第2期習近平体制の政府人事が確定
・ ロシア大統領選(3月18日)→偶然?「クリミア併合4周年」の日に実施
・ NAFTA再交渉の期限(3月末)
・「ポスト黒田」?(4月8日)→日銀総裁の後継人事。続投説が濃厚
・G7サミット(6月8-9日)→カナダのケベック州、シャルルボアで開催
・FIFAワールドカップ(ロシア、6/14~7/15)→サムライブルーに期待
・「平成」の次の新元号公表(6月頃?)
・メキシコ大統領選挙(7月)
・ リーマン・ブラザーズ社倒産から10年(9月15日)
・安室奈美恵引退(9月16日)
・自民党総裁選(9月中)→「安倍3選」か、それとも「岸破聖太郎」か?
・明治150年記念式典(10月)
・米中間選挙(11月6日)→上院は100議席中34議席が改選(民主党25対共和党9議席)。下院の435議席(共和党240、民主党194)は全数改選
・ APEC閣僚会議(パプアニューギニア、11月12日~18日)
・東アジアサミット(シンガポール、11月?)
・TPP11署名式(期日未定)→大筋合意から各国批准、2019年発効へ?
・G20サミット(アルゼンチン、期日未定)→2019年は日本開催
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