また元はミリタリー用に使われていたモッズコートをスーツに合わせるのは、あえてミスマッチを狙った“ハズし”の着こなしとしてはアリ。しかし、1990年代の名作刑事ドラマ『踊る大捜査線』感が滲み出るのは否めない。いちいち先輩社員に「青島!」と呼ばれたり、「事件は現場で起きているんだ!」と言わされそうで、めんどくさそうだ。
「そう考えると、スーツに合わせる冬のコートのカタチは『チェスターコート』か『ステンカラーコート』などの、極めてベーシックなものがベターだと考えます」(川島さん)。
というわけで、1~3の条件を考えたうえで、川島さんがすすめるコートは2つ。
まず1つは「ウールのチェスターコート」だ。チェスターコートとは、ご存知のとおり、スーツのジャケットの丈をそのまま膝丈くらいまで長くしたようなコートのこと。19世紀にイギリスのチェスターフィールド伯爵が着たことがその名の由来とされている。
チェスターコートはオンでもオフでも使える
「ここ数年、学生の方などもカジュアルに着こなす方が増えたので馴染みのある人も多いはず。けれど、そもそもがドレッシーなコートですからね。もちろんデニムなどと合わせたカジュアルスタイルでも使えますが、オンタイムのスーツスタイルにこそ合う、つまり“使い勝手の良い“コートです。ダークネイビーや黒のウール製なら冠婚葬祭にまで使えるほどですからね」(川島さん)。
少し気になるのは、スーツのジャケットと同じようなラペル(衿)がついていること。ラペルONラペルで、あたかも十二単のようになってしまうのは、着こなし的にはどうなのか、と迷われる方もいそうだ。
「そもそも問題ないですし、もし気になるようなら、マフラーなどを首元に巻いて隠す。また、コートの衿元をなぞるようにマフラーあるいはスカーフを合わせると防寒対策になると同時に、オシャレに見えるし、そのうえ顔やクビの脂がコートにつかないというメリットもあります。コートの差し色になるような、少し明るめのグレーや、ちょっとした柄の入ったマフラーを合わせるのもオススメですね」(川島さん)。
もう1つのオススメは「ステンカラーコート」だという。バルマカーンコートとも呼ばれる、シンプルに折り返した衿がついた定番中の定番のコートだ。これもチェスターコート同様にロング丈が基本なため、スーツにはばっちりハマるし、Vゾーンが見えなくなる分、コーディネートもしやすいといえそうだ。さらにステンカラーコートの場合、防水、防寒などに優れた「高機能新素材」を使ったコートが多々出ているのも、推す理由だという。
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