糖質制限論争は初期人類の食に答えがあった 近・現代人の糖質からの「独立戦争」に迫る

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2015年になると「ダイエットの基本は糖質(炭水化物)制限」という記事をよく目にするようになり、同時に、糖質制限やローカーボ(低炭水化物食)の解説本、レシピ本は、毎月のように新刊が出版されたが、一方で、新たな糖質制限批判本はほとんど出版されなくなった。

この変化に歩調を合わせるように、糖質ゼロの第三のビールや、糖類ゼロの缶酎ハイの新商品が次々と発売されてコンビニやスーパーの定番商品となり、低糖質食品(麺類、パン、スイーツなど)も次々と販売された。消費者の商品選択の基準の1つに「糖質オフ・低糖質」が定着したのだろう。

また、低糖質メニューを提供するレストランも次第に増えているし、長崎ちゃんぽん最大手のチェーン店では「麺なしちゃんぽん」が人気商品である。「麺の代わりに豆腐」が選べる「行列のできるラーメン名店」まで登場し、テレビのニュース番組が特集を組むようになった。

私が一番最初にテレビのバラエティ番組に出演したのは2014年1月だったが、その際、「これから糖質制限をしてみようという人はいらっしゃいますか」という私の問いかけに、挙手した人は50人中たった数人だったことを思い出すと、まさに隔世の感がある。

痩せるなんて簡単だった

まずは前著の補完的復習である。糖質制限とは何か。読んで字の如く、「糖質」と呼ばれる一群の食物成分の摂取量を減らすことだ。

なぜ、糖質摂取量を減らすのか。理由は、そうするだけで、ほとんどの人は、次に示すように、まるで生まれ変わったかのごとく体調が良くなるからだ。

●大多数の人は短期間で体重が減り、メタボ腹が凹んでスマート体型になる。
 ●不眠症やうつ症状が治る。
 ●高血圧、高脂血症が治る。
 ●肝機能が良くなる。
 ●歯周病が治る。
 ●思春期のニキビが治る。
 ●肌のさまざまな不調(脂漏性皮膚炎、アトピー性皮膚炎など)が改善する。
 ●花粉症の症状が軽くなる。
 ●食後の眠気がなくなる。
 ●頭がスッキリして、脳みそがバージョンアップしたような爽快感が得られる。
 ●子どもは集中力が増して成績がアップする。
 ●子どもがキレなくなる。

逆に、糖質制限で体調が悪くなったという人はほとんどいない。糖質制限をしているのになかなか痩せない、という人もいらっしゃるが(残念なことに女性に多いようだ)、そういう人でも体調は確実に良くなるのだ。
唯一の予期せぬ副作用は、服がダボダボになって合わなくなり、買い直さざるをえなくなることだ。

この出費はちょっと痛いが、「若い頃のスーツがまた着られるようになって嬉しい」と前向きに考えてほしい。そして何より、痩せると、若者向けの低価格ブランドでも格好良く着こなせるようになるのだ。肥満者が安物を着ると貧相に映るが、痩せると安物でもオシャレに見えるのだ。そしてさらに、若者向けピチピチ系ブランドの服も似合うようになる。

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