iPhone導入より熱い!?ドコモのベンチャー支援 さながらマネーの虎!携帯王者の意気込み

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サービスをゼロから立ち上げたチーム、すでにリリース済みのチームなど、進捗は異なるため、各チームは「来週からはプロモーションに絞って展開しよう」、「ドコモのこの部署と協力すれば解決できそうだ」などと個別で毎週の作業の方向性を決めていく。ドコモのコンテンツサービスを統括するスマートライフビジネス本部長の阿佐美弘恭氏や、研究開発推進部長の栄藤稔氏など、役員クラスの幹部もミーティングに参加し、チームに直接アドバイスを飛ばす。

週1回の定例ミーティングで進捗をチェックする。「アレルギーチェッカー」を展開するウィルモアがプレゼン中だった

ベンチャー企業は多くの場合、エンジニアを中心に少人数で構成されている。そのため、よりよいサービスを開発するためには、外部からアドバイスを受けることも重要だ。「チームのメンバーだけでは行き詰まってしまうことも多かったが、ドコモから過去のサービスにおけるノウハウや、そのほか出資スキームを教えてもらうなど、非常に助かっている」(参加チームcoromoの井上碩CEO)。「意思決定の方法や差別化戦略など、大企業の視点を学べたことは大きかった」(プライムアゲインの阿部伸弘CEO)

こうした支援態勢を実現できているのは、経営トップが全社的な支援を約束しているからだろう。加藤薰社長はプログラム開始にあたり、「私が全面的にコミットし、全社で支えていく。ドコモも全速力で走りたいし、支援を通じて若手社員の感性や知識を磨いていきたい」と話していた。実際、新オフィス完成前からイノベーションビレッジを訪れているという。

海外VCと連携、グローバルな武者修行も

国内外のベンチャーキャピタルとの連携も、プログラムの特徴だ。国内では「Bダッシュベンチャーズ」と連携し、有望なベンチャーの情報提供やプログラム参加企業の募集などで連携している。イノベーションビレッジの新オフィスが完成する7月までは、同社のスペースを間借りしていたほどだ。海外では、米シリコンバレーでも有数のVC「500スタートアップス」と連携する。500スタートアップスの創業者であるジョージ・ケラーマン氏も、来日した際にオフィスに立ち寄り、各チームに直接アドバイスを残していくという。

さらに現在、シリコンバレーへのツアーも計画中だ。500スタートアップスはもちろん、ドコモが出資するクラウドサービス、EVERNOTE社のキャンプへの参加を検討するなど、十分に武者修行してもらおうというものだ。今後も、こうしたグローバル展開の支援を強化するため、欧州などで提携先を広げていく方針だ。

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