フィギュア羽生選手、4回転は何がスゴいのか 平昌五輪まで残りわずか、男子の展望は?
基礎点とはざっくりいうと、ジャンプなどに与えられるベースとなる得点です。3回転ジャンプと4回転ジャンプでは基礎点には大きな差があり、4回転で回転不足になっても7割もらえるのであれば、チャレンジするメリットがあるという流れにしたのが変更点の特徴です。
そこで、選手たちはバンクーバー五輪後の4年をかけ、ソチ五輪へ向けて演技の中に4回転ジャンプを組み込んでいったのです。それでも、ソチ五輪では、金メダルを獲得した羽生選手らトップスケーターもSPで1本、フリーで2本を入れる構成だったのです。しかも、4回転の中でも比較的跳びやすいといわれるトウループ、サルコウという種類でした。
4回転のレベルが一気にアップ
しかし、平昌五輪へ向けては、4回転の本数も種類も増えて一気にレベルアップしました。羽生選手は世界選手権ではSPで2本、フリーで4本の4回転を入れて、さらにその後のシーズン最終戦となった世界国別対抗戦のフリーでは5本の4回転を組み込んできました。種類もソチ五輪までのトウループ、サルコウに加え、ループを習得し、4回転の中ではアクセルを除くジャンプでは最も難しいとされる4回転ルッツも今季、GPシリーズ初戦のロシア大会で見事成功しています。
宇野選手も史上初めて成功させたフリップ、そしてトウループ、ループの3種類を跳び、さらに若いネイサン・チェン選手(米国)や金博洋選手(中国)は4回転ルッツをすでに試合で決めています。
実は、ジャンプは演技の後半に跳ぶと基礎点が1.1倍になります。こうしたルールを駆使して「そろばん」を弾き、あの手この手で得点を積み上げているのです。
かつてのフィギュアスケートは、ジャッジがそれぞれ6点満点から減点方式で採点していた時代がありましたが、現在はまさに得点が「青天井」のように伸びていくといっても過言ではありません。
そして、五輪の舞台というのは会場の盛り上がりにより、得点もやや高めに出る傾向にあります。
4年に1度の大舞台ですばらしい演技をする選手がいれば、ジャッジは、通常の国際大会よりも高い評価を与えたいという心情が働くのも当然でしょう。平昌五輪ではかつてない高得点を選手たちが連発することは想像に難くありません。
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら