なぜあなたの周りには、嫌いな人が多いのか
社内の人間関係に悩んでいる人たちへ

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話は少しだけ脱線しますが、経営戦略などを考えるときに「フレームワーク」を使うことがあります。フレームワークとは、考えるために効率的で漏れがない枠組みやノウハウのことで、有名なところだと3C(Customer:顧客、Competitor:競合、Company:自社)とか4P(Product:製品、Price:価格、Place:売り場、Promotion:販促)などがあげられます。

私も実務の中で使ったり、受け持っているビジネススクールのクラスで紹介したりもします。そのような場面でよく指摘される悩みや問題意識は「抽象的で現場で使えない」というものです。

私の紹介の仕方に問題があることはもちろん否定しませんが、でもフレームワークというのは元々抽象概念であって、それをスタートとして現場で一生懸命考えてオリジナルな「わが社ならでは」に昇華させていくことが重要です。誰にでもあてはまるものというのは構造的に固有性を取り去る事になるので、結果として抽象的にならざるを得ません。フレームワークというのは、そこから再度自らのものとして具体化していくことが大前提になっています。

そこでいつも思うのは、結局フレームワークを巡る不満というのも自分の問題だということです。どの方向から物事を見るのか。フレームワークに問題の原因を見るのか、自分の応用力に問題の原因を見るのか。つまるところ自分がどの方向から見るかにかかってくるものだと思います。

予定調和は自分を変えない

これも人間関係ととても似ています。

最近キュレーションというのが流行っています。例えばこの連載も書いただけでは事実上存在しないのと一緒で、その中身を読んでくれる人に届けなければ意味がありません。届ける手段がメディアであり媒体なわけですが、一方でメディアが有象無象を一緒くたに届けても受け手側では処理しきれません。そこで届ける内容を読み手に合ったものに沿って選択・集約して届ける気の利いたサービスや人がいます。それがキュレーションの役割です。

この読み手に合った内容というのがキュレーションの価値ですが、ただ一方で読み手に合った内容というのは逆にいうととても予定調和的なものです。その予定調和さこそが価値なのですから当たり前と言えば当たり前です。

でも予定調和は自分を変えません。自分を変えるのは異なる価値観の襲来であり、それは予定調和とは真逆なものです。会社を変えるための改革が、社員にとって快適で変化のない改革であったら社員は変わりません。それと同じです。

人間関係は類似性から始まり、相補性で深まるとも言います。要するに似た者同士は好感を覚えるものの、似ているだけでは互いの関係の深まりにも限界があります。どこかに違いがあって初めて関係が深まっていくものです。お互いに気付きを与え互いに成長していくものです。

でもいきなり初対面で相手に自分との違いを感じてしまうと、なかなか積極的に仲良くなる気になりません。でも似た者同士の寄り合いで終わりたくなければ、自らの成長を志向するのであれば、この人自分とは違うかもしれないと思った人に積極的に関与を深めていく必要があります。それこそが自分を変えるチャンスだと思うのです。

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