渋澤 アベノミクスには共感できる具体的な夢がなかった。
藤野 オリンピックの開催で、世界中から大勢の人がやってくる。ボランティアでオリンピックを手伝いたいと思う人も出てくるでしょう。外国人とコミュニケーションを取るために、英語や中国語を習おうという機運も高まってくる。今まで下を向いて歩いていた人たちが、自分たちから何かアクションを起こしてみようという気持ちになったら、本当に世の中、大きく変わりますよ。
未来が見えてきた
渋澤 2020年って「トゥエンティ・トゥエンティ」じゃないですか。トゥエンティ・トゥエンティって言葉は、米国だと正常視力という意味で、20フィート先まで良く見えるということなんだよ。偶然とはいえども、未来が見えるという意味で、この言葉はなかなかぴったりじゃないかな。
中野 ただ、マイナス面も考えておく必要はありますよね。これで公共工事は正当化されますから、下手をすると歯止めが利かなくなるおそれがあります。
渋澤 そこは大事だよね。財政赤字のGDP比300%も見えてくるかもしれない……。消費税を予定どおりに上げたから、オリンピック特需という理由で、補正予算をガンガン組んでくるのは、十分に考えられる。
藤野 一部の政治家は、公共事業ができるということで、目がキラキラしているという話もあるくらいですからね~。
中野 でも、考え方によってはプラスの面もありますよ。東京オリンピックだから、公共工事は東京に集中するじゃないですか。これまで公共事業の最大の問題点は、国土均等の発想が根底にあるので、結局、必要のないところに橋を架けたり、トンネルを掘ったりするわけです。それらが後回しになる。東京の有効需要を拡大させると同時に、無用な公共事業を最小限に抑える効果が期待できます。
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