藤野 中には不公平だなどと、不満を漏らしている人たちもいるみたいですね。東京にばかり公共事業が行って、自分たちのところは何の恩恵もないということなのでしょうけれども、東京以外の自治体の中にも、これをチャンスと考えているところはいくつかあります。
だって、外国人が日本に大勢来るわけですから、地元の観光資源を有効活用して、オリンピックのついでに観光もしてもらうという流れは作り出せると思います。そういう意識を持った自治体は、おしなべて首長の年齢が若いという特徴があります。
渋澤 公共工事に関して言えば、セメントに使う砂利が不足しているからといって、原発事故で汚染された砂利などを使うことのないよう、絶対にチェックする必要がありますね。
藤野 汚染水に関しても、東京でのオリンピック開催が決まったからといって、世界が許してくれたわけではありません。むしろ7年後の開催年までに、原発問題をきちっと収束させるという国際公約が結ばれたのと同じですから、何が何でもこの問題は解決しなければならない。先送りはもう認められません。
自分にオカネを使えば、自分に「倍返し」でもどってくる
中野 あと気になる経済効果ですが、金額ベースでは3兆円と言われています。でも、私はもっと大きな効果が得られると思います。何しろ、今までは内向きの時代でしたから、おカネは使わずに貯めるというのが主流でした。でも、これからは違う。貯めたおカネの流れが逆転するかもしれません。
そのうえ、株価や地価が上昇するでしょうから、その資産効果にも期待できる。おそらく3兆円どころか、百兆円規模の経済効果に膨れ上がってもおかしくないと思います。これは、やはり債権大国である日本のすごさではないでしょうか。
藤野 起業とは違うベンチャーマインドが高まっていく可能性もありますよ。さっき言った語学を学ぶという話もそうですが、何か新しいことを始めるという意味でのベンチャーマインドが高まってくれば、その経済効果も非常に大きくなるでしょう。趣味でもいいのです。何かにおカネを使う。それが、もっと大きくなって、自分のところに返ってくる。まさに倍返し?
中野 やっと半沢直樹に戻ってきてくださいましたか~(笑)。
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