具体的な商品で考えてみましょう。ここでは、ファイナンシャルプランナーなどからの評価が高く、筆者も保障内容と価格の比較から、現行商品の中ではトップクラスとみているオリックス生命の「新CURE」への加入を検討するケースで考えます。
1回の入院につき60日を限度に入院給付金が支払われる場合、日額5000円であれば最大で30万円です。ただし、「新CURE」では、がん・心疾患・脳血管疾患の3大疾病の入院については、入院が長引きがちであることを理由に60日ではなく無制限となっています。同社のホームページには、厚生労働省「平成26年 患者調査」のデータも出ていて、最も平均在院日数が長いのは、脳血管疾患の89.5日です。
したがって、脳血管疾患で入院すると45万円ほどの入院給付金が見込めそうです。手術を伴う場合、手術給付金10万円も加算され55万円くらいになります。
50万円を調達する手段について考えてみる
このような計算をした後、給付事由については忘れることにします。虚心に「50万円程度のおカネを調達する手段」として見るのです。100万円超の給付を受ける可能性も考えられるものの、数万円にとどまることもあるはずなので、とりあえず50万円にしてみるわけです。
最も効率的なのは、自分の口座から50万円を引き出すことでしょう。ほとんどコストがかからないからです。
保険の場合はどうでしょうか。たとえば、40歳女性が60歳までに保険料を払い終わる設計にすると、毎月の保険料は3906円、総額では93万7440円に達します。
しかも、その全額が、加入者に還元されるわけではありません。入院給付金等の原資は、加入者が支払う保険料から、代理店手数料なども含む保険会社の運営費を引いた残りのおカネだからです。
運営費の割合は、あらかじめ「見込み」で保険料に反映されていますが、具体的な数字を公表しているのは、ライフネット生命だけで、40歳女性が同社の終身医療保険に加入する場合約20%です。
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