信用収縮直撃! まだまだ続くゼネコン・不動産の連鎖倒産

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 「昨年7、8、9月と不動産への投資マインドを冷え込ませる材料が続いた」と、野村証券公益インフラ産業調査室の福島大輔シニアアナリストは指摘する。

まず昨年7月の建築基準法改正だ。建築審査の厳格化で、不動産会社の手持ち案件の着工が遅れ、将来の物件売却、すなわち現金化のタイミングの遅れが投資家に嫌気された。そして8月には米国発のサブプライムローン危機、さらに9月には私募ファンドへの規制強化を盛り込んだ金融商品取引法の施行が追い打ちをかけた。

「それでも業界内には『何とかなるだろう』という希望的観測があった。それが、今年3月のレイコフの倒産で潮目が変わった」と、ある不動産会社の幹部が業界内の心情を吐露した。

レイコフは、不動産ファンドを組成、運営するアセットマネジメント(AM)会社。銀行からの借り入れで不動産を購入し、投資家からの出資や銀行借り入れによって組成した不動産ファンドに物件を売却し、その売却益とファンド管理から得られるフィーが収益源だ。

会計上の利益は順調に増えていたが、銀行借り入れも急増していた。ここに、昨年後半からの銀行や投資家資金引き揚げが直撃、資金繰りが同社の息の根を止めた。「レイコフの破綻で、次はどこだと業界全体が疑心暗鬼になり始めた」。この幹部が勤務している会社では、ゴールデンウイーク明け以降だけで全社員の1割が会社を去ったという。

マンション売れず資金繰りに行き詰まり

厳しいのはマンション業界も変わらない。郊外を中心にマンションの売れ行きがパタリと止まった。「この厳しさは半端じゃない」と不動産コンサルティング会社トータルブレインの久光龍彦社長は言う。「都内の一部の物件を除けば、エンドユーザーは完全に様子見の姿勢だ」。

近年の土地価格の急騰で、2006年以降に販売されたマンションは従来よりも20%高い「新価格マンション」といわれる。だが「ユーザーの受忍限度は旧価格のせいぜい5~10%高」(久光社長)。20%高という価格はユーザーの支持を得られなかった。

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