大前研一「イノベーター育成はインドに学べ」 カリスマコンサルが語る「変化に強い人材」
アメリカはもともと移民国家なので、社内にいろいろな国の人がいても、誰も違和感を覚えない。その点、ダイバーシティの遅れている日本企業は、グローバル人材の確保に関しては、圧倒的に不利だと言わざるを得ない。
インド工科大学(IIT)は、MITをモデルにつくられた
インド工科大学(IIT)は、世界的に評価の高いインド理系大学の中でもナンバーワンに位置付けられており、卒業生には世界の大手IT企業から高額のオファーが殺到することでも知られている。
インドは1947年にイギリスから独立すると、初代首相となったネルーは「技術教育」を国家目標として掲げた。それを実現するためのエリート人材育成機関として1951年に、米マサチューセッツ工科大学(MIT)をモデルにつくられたのがIITである。
現在は、インド各地で16校が運営されており、入試の点数の上位者から希望の学校を選べるようになっている。ちなみに、最も人気のあるのは首都にある「デリー校」だ。
2013年度の入学試験の倍率は約140倍とかなりの狭き門となっていて、IITを落ちた学生がMITに行くともいわれるくらいレベルは非常に高い。
卒業生は即戦力となるため、IITの就職フェアには、欧米のグローバル企業の本社から採用担当者がこぞって学生の獲得にやってくる。2013年にオラクルがIITの学生に提示した初任給はなんと2200万円(1300万ルピー)。日本企業としては、新卒の年俸がせいぜい240万円程度しか提示できないようでは、まず1人も採用できないだろう。
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