大前研一「イノベーター育成はインドに学べ」 カリスマコンサルが語る「変化に強い人材」
唯一、神戸に本社があるシスメックスが、インターンを通じ2013年度にIITから3人採用しているが、これは、170カ国に輸出実績があってグローバルに非常に強いのと、成長性の高い医療機器分野で強みを発揮している点が、学生に評価されたと思われる。
世界のトップ企業のCEOは、インド出身が多い
インドのエンジニア系高等教育機関は、ティア1からティア4まで大きく4つのランクに分けられる。IITやNIT(国立工科大学)なども含まれるティア1には30~50校が属し、卒業生の大部分は欧米系インドトップ企業に就職する。
ティア2に属するのは100~150校。成績がトップクラスの学生はティア1の学生と比べても実力的に遜色ないため、あえてティア1を外してティア2のトップクラスに狙いを定めた採用戦略をとる企業もある。ティア2の大半の学生の就職先はインド現地トップ企業である。ティア3から下は、あまり学生の質がよくないため就職できない人も少なくないようだ。
ソフトウェア会社の採用意欲は大きく、タタ・コンサルタンシー・サービシズ(TCS)、インフォシス、コグニザントといった大手は、1校から1000人以上も採用する。インドのローカル企業に就職した学生も、そこで実績を積んだ後、グローバル企業にステップアップすることを考えている。
そんなインド出身者が、いまや世界のトップ企業のCEOを務めている。主だったところでは、米グーグルCEOスンダル・ピチャイ。米マイクロソフトCEOサトヤ・ナデラ。米アドビシステムズCEOシャンタヌ・ナラヤン。米ペプシコCEOインドラ・ヌーイ。米マスターカードCEOアジェイ・バンガ。フィンランドのノキアCEOラジーブ・スーリ。ソフトバンクグループ副社長を務めたニケシュ・アローラもインド出身だ。
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