大前研一「20世紀の人材観が会社を滅ぼす」 カリスマコンサルが語る「本当に欲しい人材」

スマートフォンが、まさに世界を変えた
産業における20世紀と21世紀の最大の違いは何か。それは、国境の消滅だ。これは技術と人の両方に大きな影響を与えている。技術に関しては、21世紀になって誕生したスマートフォンが、まさに世界を変えたといっても過言ではない。
世界中の数十億人が肌身離さず持っているスマートフォンのОSは、ほぼアンドロイドとiOSの2つである。たとえば電話なら、従来は国や地域ごとにシステムが異なっていた。だから、世界で電話網を使ったサービスを提供する場合は、いちいち仕様を変更するなど、国や地域別に戦略を考えなければならなかったのである。
ところが、現在、その必要はなくなった。UberやAirbnbが行っているように、ひとつのシステムで世界中のオペレーションができてしまう。スマートフォンのエコシステムにおいて国境は関係ないのである。唯一、言語の問題は残っているものの、世界でビジネスをするのにもう戦略はひとつでいい。逆に、20世紀のように国別戦略などやっていたら、時間がかかりすぎて競争に勝てないのだ。
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