「フランスの超天才」が予見する2030年の生活 ジャック・アタリ氏「労働の苦痛は激減する」

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未来を大胆に予測します(写真:Graphs / PIXTA)
フランスナンバーワンのエリート校、フランス国立行政学院(ENA)を卒業し、38歳にして故フランソワ・ミッテラン大統領の補佐官を務め、欧州復興開発銀行の初代総裁などを歴任したジャック・アタリ氏。米ドナルド・トランプ大統領の誕生を予言し、仏エマニュエル・マクロン大統領を政界に導いた人物でもある。
世界の情勢が混迷を深める中、私たちはテクノロジーの進化や政治、経済の変化に対して、どのように対応して生きていけばいいのか。「『フランスの超天才』が予測する2030年の世界」(8月20日配信)に続いて、アタリ氏の近著『2030年ジャック・アタリの未来予測 ―不確実な世の中をサバイブせよ!』から、大胆かつ緻密に2030年の世界の姿を予測する。

アルツハイマー型認知症は治る病気に近づく

健康

死との関係は、われわれの社会基盤の本質であり続ける。死を遠ざけることが自由の第一願望であり続けるのだ。健康でありたいという願いは、ますますカスタマイズされ、際限がなくなり、死を断固として拒否するようになる。もちろん、それはそうした手段をもつ者たちにとっての話だ。

遠隔医療が発達する。患者はインターネットに接続された薬箱によって忘れずに服薬できる。患者が処方に従わない場合は、この薬箱が医師と保険会社に通報する。

ナノテクノロジーによって異常は分子レベルで正確に検知できる。

超高感度センサーによってがんの早期治療が可能になる。

fMRIや脳波図の技術進歩により、感情の仕組みが解明され、さらには人工的に感情を呼び起こすことができるようになる。

手術施設には、迅速かつ確実で低侵襲な手術を提供するために、数多くの手術用ロボットが設置される。

ゲノム薬理学により、患者個人の遺伝的特性に合わせた薬物治療が実現する。

アルツハイマー型認知症は治る病気になりつつある。

軍隊では兵士の戦死者が減る。

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