「フランスの超天才」が予見する2030年の生活 ジャック・アタリ氏「労働の苦痛は激減する」
子どもたちは、好奇心と批判的精神を養うためにバーチャルリアリティ眼鏡によって仮想世界を体験する。
世界中の教師と生徒との完全な交流が教室の壁を越えて可能になる。
ビデオゲームが知識習得に極めて便利な情報機器になりうることが明らかになる。
脳の働きの解明が進み、注意力、集中力、記憶力、思考力、協力、独創力などを高める、あるいは修復するための臨床手段が見つかる。
ロボットが自然言語を習得するため、人間でなければできないと思われていた労働までロボットが行うようになる。
労働の苦痛は劇的に軽減される。たとえば、ロボットは石油化学業界ではコンテナ内部の目視点検を行い、消防士に代わって現場の扉をこじ開けて消火活動にあたる。
軍隊では兵士がパワードスーツを着用するため戦死者が減る。介護ロボットや補強スーツにより、体の不自由な人たちの生活の質は向上する。
介護やネットワーク管理などの分野をはじめ、数多くの新たな職種が生まれる。ソフトウエア開発者、データサイエンティスト、ビッグデータの設計者、バイオテクノロジーやナノテクノロジーの技術者に対する需要は急増する。
その結果、従来の企業は破壊され、労働のあり方が変質する。すなわち、就労体系は柔軟になり、1人でいくつもの役割をこなし、委託になり、働く人たちはノマド化し、プロジェクトのメンバーは、小さなグループの集まりで構成されるようになる。
新たなセメントが開発され、住宅業界は激震
家全体が3Dプリンターで造られる。ナノテクノロジーを用いた家の外装により、太陽光エネルギーが集められて利用される。よって、従来の太陽光発電パネルは時代遅れの産物になる。この外装により、「スマートビルディング」の大量生産が可能になり、それらの建物では、消費する以上のエネルギーが生み出される。
新たなセメントが開発され、建物の耐用年数はこれまでの10倍になるため、住宅業界は激震に見舞われる。
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