大前研一「イノベーター育成はインドに学べ」 カリスマコンサルが語る「変化に強い人材」

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グローバル人材と共にこれから重要度を増してくるのがイノベーターである。こういう尖った人間は、従来はなかなか会社で活躍ができなかった。アフリカのナイロビや北海道の留萌(るもい)といった辺境の地に異動させられるか、辞めていくしかすべがなかったのである。

しかし、これから破壊的イノベーションや産業の突然死に対応していくためには、企業はそういう人間をうまく発掘し、使いこなしていかなければならない。

リーダーの育成法のプロは、リクルート

21世紀のような答えのない時代には、自ら考えて方向性を示すことができるリーダーも必要だ。日本企業でリーダーの育成がうまいのは、なんといってもリクルートである。

彼らは、インターンシップなどで学生にプロジェクトを任せ、それを見てリーダーの資質があるかどうかを判断した後に採用を決めるのだ。また、リクルートの実質的な定年は38歳。そのあとは自分でやってくれと、1000万円の退職金と共に会社から放り出される。

そうして元社員が立ち上げた事業が有望であると判断した場合は、リクルートが資本の一部を担うこともある。リクルートに膨大な数の子会社が存在するのはそのためだ。

採用に関しては、マッキンゼーもリクルートと似たようなシステムで行っていた。日給を払って学生を集め、たとえば「東京都23区のごみ処理は、各区でやるのか、それとも全体をまとめてやったほうがいいか」といった課題を出し、それについてグループワークをやらせ、結果をリポートにまとめて発表してもらうのだ。そうすると、この人間はリーダーシップがあって戦略的思考ができるといったことが見えてくるのである。

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