ティラーソン国務長官「辞任騒動」は衝撃的だ

トランプ政権は最大の危機に直面している

ナウアート報道官は、ティラーソン氏のトランプ氏に対する「間抜け」発言についても、「そのような言葉を使う人ではないし、言ってはいない」と否定している。ただ、ティラーソン氏自身はこの発言自体を明確には否定していない。それはどういうことか。

ティラーソン一族に恥をかかせた?

「moron」という英単語は、日本語では「間抜け」「能なし」などと訳されるが、もともと極めて差別的な言葉であり、口にするのもはばかられる下品なものだ。

そんな言葉をティラーソン氏が言ったとすれば、よほどのことがあったはずである。実は、そのよほどのことが、この夏に起こった。それはボーイスカウトジャンボリーでのことだ。ボーイスカウトは4年に1度の行事としてジャンボリーが開かれる。ジャンボリーには、大統領が出席してスピーチをするのが慣例となっている。この夏、トランプ大統領はそのスピーチに出向いた。

トランプ大統領は場違いにも、その場で政治的メッセージを露骨に発したのだ。バラク・オバマ前大統領の無策を罵倒したり、オバマケア代替法案の上院での審議を批判したり、およそボーイスカウトの少年たちに聞かせるようなスピーチではなかった。

ボーイスカウト連盟は政治的に中立の機関であり、共和党にも民主党にも偏しない。そのボーイスカウト連盟の重要な地位には、ティラーソン氏自身も彼の父親も就いている。いわばトランプ大統領のスピーチは、ティラーソン一族に恥をかかせたようなもの。ティラーソン氏が思わず罵声を発したくなったとしても不思議ではない。

そんな愚にもつかない話をメディアは放っておかない。「間抜け」という罵声そのものがトランプたたきの格好の材料になるからだ。

対北朝鮮外交における意見の対立も表面化している。

9月30日、ティラーソン氏は中国を訪問し、習近平国家主席はじめ枢要人物と会談した。それらの会談を通じて、同氏は北朝鮮に対して、制裁のほかに複数の交渉ルートがあることを示唆し、外交中心で交渉を進めることを明確にした。複数というからには、少ない数ではないことを物語る。

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