住みやすくないけど人気「横浜」の圧倒的引力 「住みたい街」と「住みやすい街」の違いは?

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聞いていてわかったことがある。まちが自慢できる要素は、そこにしかない、独自で特徴的なものであるということだ。たとえば、これは地形や歴史、祭りや風景といったもののほか、スポーツチームや文化施設などもこれに当たるだろう。逆に「住みやすさ」を自慢している街は、実は少なく、さいたま市が2015年から公立小中学校において100%自校給食方式を行っている点を挙げた程度である。

このほかに、独自性をアピールするにはデータが有効のようだ。たとえば、千葉市は5市のうちで最も高い有効求人倍率を出してきた(同市の有効求人倍率は、横浜市2.15倍を上回る2.23倍)。同様に川崎市は犯罪多発のイメージを刑法犯認知件数の対人口比率を出して否定してみせた。データで見ると、5市のうちでも横浜市に次ぐ低さである。イメージとは裏腹にガラは悪いが、タチは悪くない川崎市なのだ。

同市では少し前に南武線に掲出され、話題になったトヨタの求人広告から沿線に200を超す研究機関、3つのインキュベーション施設がある人材の質もアピールした。データの使い方がうまいとイメージも変わるものである。

今回の企画を発案した流山市総合政策部の河尻和佳子氏の意図もそこにある。このイベントはシティプロモーションと、オープンデータという行政主導で行ってきた施策を身近に感じてもらうことが目的。現状、自治体が公開しているオープンデータも活用されているとは言いがたく、データを使って自分の住むまちのPR合戦をすることで、その2つを身近に感じて、愛着を深めてもらおうというのだ。

データで見ても強い横浜

さて、ほかにないものがどれだけあるかが、「街の魅力」には必須になるわけだが、横浜市にはこの要素にあふれていることがわかる。今回のPR合戦には出てこなかったが、横浜市には、歴史ある建物、中華街、洋館、港、海辺の公園など、目に見えるモノだけでも、ほかの都市にないものがたくさんある。

データで見ても、横浜市は強い。今回のプレゼンでも人口第1位に始まり、ブランド総合研究所の「地域ブランド調査」4位から「市区町村の魅力度ランキング」5位、「居住意欲度」1位(いずれも2016年)、生活ガイド.comによる「全国住みたい街ランキング」第1位(2016年)……とまぶしいほどだ。ほかににないブランド力や利便性があるから、人は住みにくいとしても横浜に惹きつけられているわけである。

街の生き残り戦略という観点で考えると、どれだけほかと違うものがあるか、それをきちんと洗い出し、アピールできるほうが、生き残る可能性が高くなるということになる。その点では、今回、たとえば川崎市のように、データからイメージを覆したり、街の印象をアップさせるような動きがあったのは興味深い。行政だけでなく、市民の目から街やデータを見ることで、新しい魅力を発見するチャンスが生まれるかもしれないからだ。

しかし、ここで1つ、疑問が生ずる。ほかの街と差別化するような要素がない自治体はどうすればいいのだろうか。今回のシビックパワーイベントは、ヤフージャパン本社で行われたのだが、イベントの最後、街のプロモーションにヤフーのインターネット広告を使い、成功した埼玉県戸田市の例が紹介された。

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