老舗モロゾフ、32年ぶり過去最高益の舞台裏

相次ぐ大震災に打ち勝った「生産性改革活動」

生産性改革プロジェクトが効果を発揮

もっとも、1995年の阪神・淡路大震災では神戸の工場が被害を受け、2011年の東日本大震災では被災した仙台工場の閉鎖を余儀なくされるという経験をした。

このため、神戸市にある西神工場(1983年竣工)、六甲アイランド工場(同1994年)という2つの工場を主力と位置づけ、既存の広島や名古屋、神戸御影といった工場を閉鎖し、供給体制拡充と生産性向上を図る施策も講じてきた。

こうした改革をより実効あるものにするため、ここ5年ほど進めているのが「生産性改革プロジェクト」だ。

「生産性改善は従来も行っていたが、形骸化していたところもあった。生産本部長が代わり、生産性に注意を向け、改善し、高めるという問題意識を(従業員に)植え付けた。意識改革の側面が強い」(山岡祥記専務)

外部のコンサルタントを導入し、西神工場、船橋工場、六甲アイランド工場など主力拠点の業務フローを順次見直し、無駄取りやラインの改善を進めた。

規模の小さい福岡工場や札幌工場は、主要工場の取り組みから得られたノウハウを水平展開し、標準原価中心の管理から生産性を柱に据えるなど意識改革を進めた。

モロゾフは阪神・淡路大震災後から2000年あたりまで業績低迷が続き、採用を手控えていた時期がある。1970年代入社の従業員が定年を迎え、これから人員が減少していくという背景もあり、生産性を高め、少人数でも現場を回していける体制が不可欠だったのだ。

「高所や重量物に関連する作業は男性の担当、仕分けなどの軽作業は女性の担当となっていたが、機械化することで女性はもちろん、誰にでもできる作業にした。結果、ラインに入る人数を減らすことができ、労務費が下がる一方で生産性が高まった」(山岡専務)

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