秋も本番、温泉や紅葉を楽しむ季節となり、日本各地が観光客でにぎわいを見せている。
官公庁が発表した「旅行・観光消費動向調査」の平成29年4~6月期の数字によると、この時期の日本人国内旅行の1人1回当たり旅行単価は3万1733円だった。これは日帰り旅行を含んだ数字であり、そのうちの宿泊を伴う旅行に限ると5万0120円で、前年同期比0.8%増(数字は速報値)。
ちなみに2016年の日本人国内旅行の1人1回当たり旅行単価のうち、宿泊旅行の金額は4万9234円だったそうだ。つまり、われわれは国内旅行に行くと、平均で一人5万円前後を使っているらしい。
平均値なるものは高額な旅行に行く方々によって押し上げられるので、あくまで「そんなものか」でよいと思うが、やはり普段の買い物よりは格段に高い。節約したいのはやまやまだが、旅行費用は日々の生活費とは性質が違う。中でも費用の大部分を占めるのが宿泊代だ。その選び方は旅の印象を大きく左右する。
グレードが高く、ブランド力もある高級宿がすばらしいのは当然なので、ここでは触れない。そもそも、筆者はそういうところに泊まることを選択するタイプではない。素泊まりなら1人1万円以下には収めたいと考えるので、その前提で読み進めていただきたい。
部屋自体より、共有施設を重視してみる
大前提として、全体の旅行費用のうちどこにおカネをかけ、どこは節約していいかを決めることが大事だろう。とはいえ、1泊3万円もするような部屋に毎度泊まるのは、ハードルが高い。
これは筆者の価値観だが、そもそも観光に来てずっと部屋にこもるという想定の旅はないから、部屋のグレードや窓からの眺めは最重要視まではしなくてもいいのではないだろうか。それより、まず見るべきは、温泉宿なら共有施設だろう。極端に言えば、いちばん安い部屋の客でも高い部屋の客でも、同じ温泉設備を利用するのなら、安い部屋のほうが当然コスパがいいはずだからだ。
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