「旅行で損をする人」は宿選びで失敗している 目標1万円!「コスパ宿」を見つける技術

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次に予算内の候補が複数ある場合の絞り込みポイントだが、筆者は次の4つを重視している。①ベッド幅、②大浴場の有無、③食事環境、④駐車場設備、だ。

旅行となると複数名で利用するため、1部屋を2人以上で使う場合に①と②は快適度に差が出る。宿泊予約サイトではベッド幅が表示されることが多いが、セミダブルベッドを大人2人で使う場合、120cmでは余裕はほとんどない。ダブルサイズ、140cmは欲しいところだ。ベッド幅が狭いということは、決して部屋全体が広々しているとは思えないので、その参考にもなる。

次に②大浴場の有無だが、天然温泉付きホテルをアピールするドーミーインをはじめ、最近はこの設備が増えてきた。ユニットバスでは1人ずつしか入浴できず、その間洗面所も使えないが、これならそういう心配はない。子ども連れの旅行なら、なおさら広い湯船はありがたい。

この大浴場付きが増えてきた背景には、各室で個々にバスタブを使用されるより光熱費や掃除にかかる手間を減らせるというメリットもあるのではないかと思う。余談だが、先日ドーミーインの事業主である共立メンテナンス傘下の温泉リゾートに泊まって驚いたが、部屋にはシャワールームしかなかった。温泉客は必ず大浴場に入るものだという想定でバスタブを置かないということなのか。そうだとして、理にかなったコスト削減方法だとも感じた。

宿泊代に夕食が含まれていないビジネスホテルは、周辺の食事環境も重視したい。出張需要が多いホテルだと駅の近くという立地になり、いわゆる繁華街とは離れているケースもある。居酒屋や牛丼屋は近くにあるが、それ以外の選択肢があまりないこともあるので、宿泊候補のホテルの立地が女性や子どもでも行ける店がそろっている場所に近いかも確認したい。

食事に出るために、さらにバスや地下鉄を乗り継ぐのは、コスト面からもなるべく避けたいからだ。

夕食が含まれていない、と先に書いたが、実は夕食を無料サービスするビジネスホテルもちらほらあるのだ。東海エリアを中心に展開しているABホテルチェーンの一部ホテルでは、日替わりで丼などのメニューを出している。

筆者も泊まったことがあるが、到着時間が23時近くと遅かったためにありつけなかった。また、夜鳴きそばの無料サービスが定番のドーミーインでは、一部ホテルにかぎり平日30食限定で、日替わりの夕食サービスを始めている。カレーやサバのみそ煮、ビーフシチューなどのメニューで、こちらは出張の際にぜひ利用してみたい。

バカにならない駐車場代もきっちり確認

旅行の足がマイカーのときに忘れてはいけないのが、④駐車場設備だ。自前の駐車場なのか、契約駐車場なのか、予約制なのか先着順か、ホテルにより異なる。もちろん、料金も違う。

数日滞在なら、1日当たりの料金が宿泊料に加算になるのでバカにならない。大阪や名古屋、仙台など都市中心部では収容台数が少ないうえ、1泊1000円前後かかることもある。長時間運転してきてホテルに着いたところで、もし駐車場に入れなかったらどうしようとやきもきするのはつらいので、宿代が少々かさんでも収容台数の多い駐車場を持っているほうが精神的にラクかもしれない。なお、高速インターそばのホテルは広めの駐車場を持ち、料金も無料が多いので、旅のスタイル次第でセレクトしよう。

普段から定宿を決め、そのホテルチェーンの会員になっている人は、ポイント付与や割引のサービスを受けられるので系列ホテルを選ぶのがよいだろうが、繁忙期はなかなかそうはいかない。宿泊予約サイトで検索した結果から選ぶ際は、該当ホテルの公式HPまでも開いたうえで、チェックをぬかりなくしよう。

松崎 のり子 消費経済ジャーナリスト

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まつざき のりこ / Noriko Matsuzaki

20年以上にわたり『レタスクラブ』『レタスクラブお金の本』『マネープラス』などのマネー記事を取材・編集。家電は買ったことがなく(すべて誕生日にプレゼントしてもらう)、食卓はつねに白いものメイン(モヤシ、ちくわなど)。「貯めるのが好きなわけではない、使うのが嫌いなだけ」というモットーも手伝い、5年間で1000万円の貯蓄をラクラク達成。「節約愛好家 激★やす子」のペンネームで節約アイデアも研究・紹介している。著書に『お金の常識が変わる 貯まる技術』(総合法令出版)、『「3足1000円」の靴下を買う人は一生お金が貯まらない』(講談社)、『定年後でもちゃっかり増えるお金術』(講談社)。
【消費経済リサーチルーム】

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