アラサー女子が副業に「スナック」を選ぶ真意 「人と話せておカネにもなるって、最高です」

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次に、五反田の「コワーキングスナック」という変わった名前のスナックを訪れた。編集プロダクションを経営する宮脇淳さんは、自分の会社を移転してスペースが広がったのを機に、社員以外の人が働く場所として、コワーキングスペースを3年前に始めた。

パソコンをたたきながらお酒を飲める、コワーキングスナック。酒場だがたばこのにおいはしない(撮影:尾形文繁)

フリーで働く人たちを見ていると、当然ながら働く場所探しに困っていた。昼は打ち合わせをしてカフェでも仕事、ということはあるが、夜、自宅で仕事というのも落ち着かない場合がある。だから夜、軽くお酒でも飲みながらパソコンもたたける場所というのがあったらいいんじゃないかと考えたのだ。

そこで、2016年7月に、コワーキングスペースとは別のビルに作ったのが「コワーキングスペース分室」としてのコワーキングスナックなのだ。

五反田「仕事のできるスナック」で働くママの目的

宮脇さんはライター交流会を開いていたので、そこで「スナックをするけど、だれかママをしない?」と呼びかけると、即「やります」と言ってきたのが、現ママのサエコさん(27歳)だ。

コワーキングスナックのママ、サエコさんは、ライターでもある。「私の話を聞くのが上手な人を見ていると、自分がインタビューをするときの勉強にもなる」(撮影:尾形文繁)

「アニメ関係の会社にいたんですが、好きなアニメ作家のことなどを書きたくて、まずはライターになろうと思って講座を受けたり宮脇さんの交流会に来ていたんです」

だからママとライターを同時に始めたのだ。ライターとしての仕事はゲームや雑貨関係が多いという。

なぜ、スナックのママを即決できたのか?

「女性が個人として話を聞いてもらえる場って、あまりない。スナックで働くといろんなお客さんの話が聞けるだけでなく、自分の話も聞いてもらえるし、この店は編集、広告などの業界の人が多いので、仕事の参考にもなる。ライターも始めたばかりだし、私の話を聞くのが上手な人を見ていると、自分がインタビューをするときの勉強にもなる」という。

その後フェイスブックやツイッターでもママを募集したところ、20人から問い合わせがあった。今は9人が交代で店に立つ。

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