国公立大学の厳しい懐事情が続いている。多くは運営費交付金という国や自治体からの公費(=税金)で賄っているが、国や自治体の財政健全化や予算の適正配分を名目に、毎年その額は減らされてきているのが実態だ。国の運営費交付金はこの10年間で約10%削減。国公立大学には自主的な財源の確保、資産の効率的な運用などが求められている。
東大の総資産は京大の3倍近い
一方、資産については、法人設立時に大学法人に継承されたが、その資産額は、国立大学法人全体で9.9兆円、公立大学法人全体で1.4兆円、という数字となっている。こうした資産を有効に活用し、教育や研究に活用することが求められている。
かつては、有効活用していない保有資産に対して処分計画や利用計画を策定するように、会計検査院から改善を求められた。また、積立金などを”埋蔵金”と位置づけて、そうしたカネを国費に還元できないか、という議論が出たこともある。
では、各国公立大学の資産規模は、どの程度なのか? 8月29日に配信した「『売上高が大きい国公立大学』ランキング150」や8月15日に配信した「総資産が多い私立大学ランキングトップ200」などで、大学の財務状況についてランキング形式で紹介してきた。今回は、国公立大学の総資産額について、見ていきたい。
対象は、2015年度(2016年3月期)に財務諸表を公表している、150の国立大学法人、公立大学法人が対象だ。国立大学については、独立行政法人が運営する大学校など、国立大学法人以外の大学は対象外とした。また公立大学も、設立されたばかりで財務諸表のない大学や、公立大学法人化されていない場合などは、対象外としている。
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