不安に強い人は「考えない」を習慣にしている 1日16時間、9年歩いた僧侶が悟ったこと

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

「自分が、自分が」と荒々しく戦いながら進むのでは、お山の自然から反発を招いて、かえって困難が増えるだけ。環境に逆らわず、調和して歩まなければならない――そして、これは「人生の歩み方」とまったく同じだと悟ったのです。

人生を歩くための杖となる“小さな修行”

冒頭にも書いたように、人生には晴天の日もあれば、雨の日もあります。雨ばかり続いて晴れ間の見えない梅雨のような時期もあれば、一歩進むことさえできない嵐の日、ときには、大災害のような未曾有の試練に見舞われるタイミングもあるかもしれません。

そのような人生のつらい局面を少しでもスムーズに乗り切るためにも、「環境に逆らわず、調和して歩む」という意識はとても大事です。

では、自分の置かれた環境を受け入れ、調和して歩むための秘訣とはどんなものでしょうか。日常のなかで実践していただけるように、“心のエクササイズ”としてご提案、ご紹介したいと思います。

【エクササイズ1】イラッとしたら、まず自分の行動を振り返る

対人関係で何かイラッとすることがあったら、すぐに相手のことを責めたくなるのが人間です。しかし、そこでぐっとこらえ、ちょっとひと呼吸おいて、自分の行動を振り返ってみてください。

自分の都合だけを考えていませんでしたか? 自分の態度や言い方に問題はありませんでしたか? 相手の事情に対して配慮が欠けていませんでしたか?

イラッとしたり、ムッとしたりする出来事に遭遇したとき、私たちは条件反射的にネガティブな気持ちに心が支配されます。そして、意識的に切り替えないかぎり、ネガティブな“心の闇”はどんどん増幅していきます。

具体的には、「さっきの出来事、イライラするなあ」「あの人、ムカつくなあ」ということを反復して考えれば考えるほど、その気持ちは大きく、根深くなっていくのです。

お釈迦様は、いっさいの苦から解放されるには「恨み」から離れ、「執着」を捨てることだと説かれました。そのとおり、これらがまさに俗世の不幸の根源です。

嫌な出来事があったときの対処法としては「心に生まれたネガティブな気持ちを深追いせず、嫌な出来事をそれ以上頭に思い浮かべないこと」が正解なのですが、これは少々難しいかもしれません。そこで、「自分の行動はどうだったかな?」と一歩引いた目線を取り入れてみるのです。

このワンアクションによって、その分だけ、ネガティブな気持ちの占める割合が減るというわけです。

次ページ目の前の不平不満にとらわれない
関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事