サムスントップ、「実刑」5年判決が出た舞台裏 朴前大統領にはより重い有罪判決の可能性も

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経営トップに有罪、しかも実刑判決が下されたサムスン。社員らの雰囲気は重い(写真:ソウル新聞)

サムスン電子の李在鎔(イ・ジェヨン)副会長に懲役5年の「実刑」判決が下された。サムスングループが創業されて以来、経営トップが実刑判決を受けたのは李副会長が初めてだ。2016年秋から露呈し、現職大統領の弾劾・罷免にまで至った国政不正介入事件。その過程で判明した、財閥企業らによる贈賄の主役とされた李副会長の行為に対し、ひとまず司法判断が出された。

李副会長の容疑の核心は、サムスン電子会長で実父でもある李健煕(イ・ゴンヒ)会長の後継者となった李副会長が、グループ内の企業支配を明確・強固なものにするためには超えるのに難しい壁があったことが原因だ。経営権の承継作業において、国家=朴槿恵(パク・クネ)前大統領による支援が必要と判断したゆえ、巨額の賄賂を提供したというのが裁判所の判断である。朴前大統領と、その長年の友人で国政不正介入事件の主役となった崔順実(チェ・スンシル)氏側に、433億ウォン(約43億円)の賄賂を与えた、または約束したとする容疑などで、2017年2月17日に李副会長は逮捕された。

賄賂や横領など5つの容疑にすべて有罪

当記事は「ソウル新聞」掲載記事の日本語訳です(一部、理解を助けるための加筆をしています)

ソウル中央地方裁判所は8月25日、李副会長などサムスンの前・現職役員に対する判決公判で、李副会長に賄賂供与と特定経済犯罪加重処罰法上の横領および財産国外逃避、犯罪収益隠匿規制および処罰法違反、国会での偽証など、5つの容疑に対してすべて有罪とした。さらに、サムスングループ未来戦略室の前室長で、グループのトップ経営者の1人だったの崔志成(チェ・ジソン)氏、同室次長だった張忠基(チャン・チュンギ)氏に、懲役4年の実刑判決を下した。

裁判所は崔順実氏の娘で乗馬選手だったチョン・ユラ氏個人への乗馬訓練支援と、崔氏の親戚であるチャン・シホ氏が実質的に運営していた韓国冬季スポーツ英才センターへの後援資金も、賄賂と認めた。チョン氏の乗馬訓練のために支援した77億9735万ウォン(約7億8000万円)のうち、72億ウォン(約7億2000万円)を賄賂と認め、支援を約束した金額213億ウォン(約21億円)は賄賂として認めなかった。サムスンが同センター向けに2回にわたって後援した16億2800万ウォン(約1億6000万円)は賄賂として認めた。

さらに李副会長は、2016年12月6日の国会での聴聞会において、「支援事実を報告されていなかった」「崔氏母子を知らなかった」と証言したものの、これを偽証と認めた。しかし、崔氏関連の2団体に対する拠出は、無罪とされた。

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