サムスントップ、「実刑」5年判決が出た舞台裏 朴前大統領にはより重い有罪判決の可能性も
裁判所は「この事件は李健煕会長後を見据えて、李在鎔副会長への経営権承継を常に準備してきたサムスン役員らが経済政策について最終権限を持つ大統領に、継承作業に対する支援を期待し巨額の賄賂を支給した事件」と規定。「この事件の本質は、政治権力と資本権力の不道徳な密着」とし、「大統領と大規模企業集団の政経癒着が、過去の歴史ではなく現在にも存在しているという点で、国民の喪失感を埋め合わせることが難しい」と付け加えた。
ただし「被告人らが大統領に積極的に請託を行い、賄賂を供与したというよりは、大統領の積極的な要求に受動的に応じたものと思われる」ことも強調。李副会長はこの日、判決にしたがって再び収監された。大統領府は「わが社会がさらに一歩前に進むためにネックとなってきた政経癒着の固い輪を断ち切る契機になることを望む」と発表した。
「今後を考えると暗澹たる気持ちだ」
サムスングループは8月25日、李副会長に実刑判決が下されると衝撃を受け、沈痛な雰囲気に包まれた。サムスン側の弁護団はさっそく控訴する意志を明らかにして「無罪を立証する」と発表した。だが、多くの社員らは特別検察が懲役12年を求刑し、主要容疑として主張していた賄賂と横領はもちろん、財産の国外逃避まで裁判所が有罪として判断したことに、茫然自失の表情を隠し切れなかった。
年初にサムスングループ未来戦略室が解体されて以降、グループの主軸となってきたサムスン電子は、判決について公式的な立場を発表していない。しかし、サムスン側弁護団は判決直後に、「一審判決では法理の判断と事実認定すべてに対し、法律家として到底納得できない。即刻控訴する計画であり、公訴事実全部に対し、無罪判決が出るものと確信している」と述べた。
判決が出される前にサムスン側弁護団は、「裁判所が法理的判断に従って判決を出してくれることを信じている」と述べ、「無罪」あるいは「執行猶予」を期待していた。そのような判決が出て拘束中の李副会長が釈放されることに備え、裁判所とサムスン本社には関係社員が待機していた。
サムスン電子関係者は「今年2月、李副会長が逮捕されたときもショックだったが、判決によるショックは当時を超える。これまで事実上の経営トップ空白による非常態勢にあったが、今後は混沌とした時間が長くなると思うと暗澹(あんたん)たる気持ちだ」と打ち明けた。
もっとも一部では、「ある程度予想していた結果」と受け止め、すでにある程度こうした事態に備えていた感も、サムスン内にはある。サムスンのある役員は「特別検察の求刑が12年だっただけに、ある程度覚悟していたこと。弁護団がすぐに控訴する立場を明らかにしており、二審の結果を見守るほかない」と述べた。
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