サムスントップ、「実刑」5年判決が出た舞台裏 朴前大統領にはより重い有罪判決の可能性も

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「朴前大統領はサムスン電子の李副会長の経営権承継作業を認識しており、サムスンは大統領の助けを期待し、支援要求に応じて賄賂を提供した」――。

サムスン側は5カ月間の激しい法廷闘争の中で、「前大統領と崔順実氏の要求と指摘に対し、負担と圧迫を感じたゆえの支援決定であり、恐喝・強要の被害者」という論理を展開したが、裁判官はこれを受け入れなかった。

朴前大統領と李副会長の賄賂に関する容疑を立証するため、何よりも争点となったのは、李副会長が不正な請託をしたのか、それに対し朴前大統領が代価を要求したのか、だった。事件を捜査・起訴した特別検察は、サムスンが李副会長の経営権継承という懸案を解決するために朴前大統領に不正な請託を行い、朴前大統領がこれを支援する代わり、崔氏などに巨額の賄賂を提供するように要求したと主張した。

後継作りという難問解決のため賄賂を与えた

裁判所はまず、経営権継承作業がサムスンにとって包括的な懸案であり、朴前大統領も十分にこれを認識していたと判断。2017年7月に大統領府民生首席秘書官室で発見された文書をはじめ、当時民生首席秘書官だったキム・ヨンハン氏の業務日誌などを見ると、大統領府がサムスンの継承問題に関心を持っていたことがわかる、と裁判所は判断した。ただ、李副会長ら被告人が朴前大統領に明らかに請託とわかるような行為を積極的に行っていたと見ることができず、はっきりと請託だとわかる項目についてのみ、特別検察の主張を認めた。

サムスンはこれまで経営権継承の一貫として推進していた、サムスン物産と第一紡績の合併など支配構造の改編作業は、李副会長の経営権継承とはなんら関係がないと主張し、法廷では検察側と対立。しかし、裁判所は「継承作業は被告人である李副会長のサムスン電子またはサムスン生命に対する支配力確保という目的を持ってなされた支配構造の改編作業」と述べた。サムスン物産と第一紡績の合併やサムスン生命の金融持ち株会社への転換など、経営権継承の中の懸案の一部が李副会長の支配力確保に影響を与える効果があり、未来戦略室が各グループ会社を統轄しながら運営を支援・調整して、懸案に対し積極的に関与したことなどを根拠として、判断している。

これは7月14日、証人として出廷した公正取引委員会のキム・サンジョ委員長が、三代目(李在鎔)への経営権継承の過程とサムスングループの意志決定構造の特徴、未来戦略室の役割などに言及した内容が、判決にも反映されたものと思われる。キム委員長は今年1月、李副会長への逮捕状請求が棄却された後、特別検察による参考人調査を受けた際にも、このような背景を説明したようだ。

「包括的な懸案に対するはっきりとわかる請託」がどれなのかとの判断において、サムスンによるチョン・ユラ氏への乗馬支援と韓国冬季スポーツ英才センターへの後援に対する賄賂供与も、有罪と見なされた。特に朴前大統領のための賄賂ではなく、崔氏の強要と圧力によるものというサムスン側の論理は、受け入れられなかった。朴前大統領は崔氏と収賄罪の共同正犯であるだけでなく、李副会長に直接代価を要求する役割を果たしたとの判断を、裁判所は明確にしている。また、二人が”経済共同体”という抽象的な関係を超えて、「個人的な友人として長年の関係にあり、国政運営でも崔氏の関与が認められるなど、崔氏の意見を反映する関係」だったとも説明している。

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