消費税率引き上げの是非の議論が盛り上がっている。私自身は、基本的に、消費税率引き上げをすべきであり、2014年4月にそのまま8%に上げ、15年10月に10%に上げるという案か、もしくは、14年4月から1%ずつ5年にわたって引き上げるという案のどちらかがいいと考えている。個人的には、1%ずつの案で、これは景気とは無関係に毎年機械的に上げ続ける、景気対策は別の手段で行うべきであり、かつ、現在は景気が良いので、少なくとも14年4月の引き上げに向けては、消費税率引き上げにともなう痛みを緩和するための措置、あるいは景気浮揚措置などは一切取らない、という案を主張している。
引き上げ延期をしてみないと、本当のところはわからない
この案の是非はここでは議論の対象ではないのだが、あえて述べた理由がある。それは、予定通り8%に引き上げるべきだと主張するマーケット関係者が、税率引き上げ延期だと、国際的に国債への信認がなくなり、国債が売られて暴落するから、延期はやめた方がいい、という理由を挙げているが、これは本当なのか、という議論をしたいからだ。
本当かどうか。それはわからない。延期してみないと、本当に売られるかどうかはわからない。それが今日の結論だ。
ふざけているのではない。それが真実であり、それ以外の真実は存在しないのだ。
すなわち、国債が暴落するかどうかは、そのときに国債を売る主体がどれだけいるかであり、その主体(投資家またはトレーダー)は、「そのときの気分」で決めるからだ。気分?という言葉に違和感があるかもしれないが、学問的には、investor sentimentで学問的にも確立した考え方だ。
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