消費増税決断で、再び1ドル103円目指す 市場動向を読む(為替)

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13日、日本経済新聞(朝刊)は一面で、安倍首相が消費増税と一体で法人税減税を検討するように指示したと報じた。実現の可能性が高まれば、との条件付きだが、これまでマチマチだった為替市場の消費増税に対する反応は、今後、「消費増税→円安」、「増税見送り→円高」という形に収斂していくことだろう。

そして、9月前半から10月前半と言われるが、実際に安倍首相が消費増税を決断することになれば、今年10-12月期にはドル円が年初来高値の103円台突破を試す可能性も浮上しよう。一方で万一増税見送りとなれば、思わぬ円高リスクが高まりかねない。

ファンダメンタルズから見た、消費増税の影響

まず、消費増税が円相場に与えるファンダメンタルズ面での影響だが、「円安」と考えている。

日本の消費税は1989年の3%で導入され、1997年に5%に引き上げられた。昨年の秋に国会を通過した増税法案では、それを2014年4月に8%へ、2015年10月に10%へ税率を引き上げる予定である。

89年と97年の消費税の導入、引き上げの時を振り返ると、二度とも、ドル円は増税後1年ほど円安推移した。その時の日銀短観を見ると、増税を機に景況感が頭打ちとなり、その後大きく悪化していたことが分かる。90年は日本のバブル崩壊の年であり、98年には長銀の経営破綻など金融危機を経験した。そうした中で、米国を始めとした海外諸国との景況格差拡大が意識され、円安が促されたと考えるのが妥当であろう。

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