消費増税決断で、再び1ドル103円目指す 市場動向を読む(為替)

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だが、アベノミクスの第3本目の矢である成長戦略に失望したマーケットは、秋の臨時国会で提唱されるであろう成長戦略第2弾において、法人税減税という分かりやすい政策が盛り込まれるか否かに注目してきた。

マーケット的に解釈するならば、法人税減税は「株高→円安」的な政策であり、消費増税という「株安→円高」的な政策を打ち消すものとして期待が高まる。こうして、消費増税に対する市場のネガティブな反応は、消費増税に伴う法人税減税の可能性の高まりによって、次第に緩和・中和されていく。

10~12月期に、ドル円は103円に再トライ

その結果、上述したファンダメンタルズ的解釈にマーケットの反応が収斂していくことが見込まれる。つまり、従来に比べ、「消費増税→円安」、「増税見送り→円高」との解釈・反応が為替市場で定着し始めるのではなかろうか。

9月上旬から10月中旬のどこかと言われる安倍首相による増税可否の判断に向けて、為替市場の反応はもう少し分かりやすいものになっていくだろう。もちろん、まだ法案通り、2014年に3%の消費増税になると決まった訳ではなく、状況はまだ不透明だ。現在、5月以降の上値抵抗線が位置している99円台を超えてドル高円安が進むことは、目先、そう容易ではなかろう。ここにレジストされる間は95円台への反落リスクはくすぶり続ける。

ただ、シティグループは60~70%の確率で、来年に予定通りの消費増税が行われると見込んでいる。最終的に、安倍首相が消費増税を決断すれば、10~12月期に100円の壁を突破し、5月の直近高値(103円台)を試す可能性が高まると見る。

高島 修 シティグループ証券チーフFXストラテジスト

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たかしま おさむ

1992年早稲田大学政治経済学部政治学科卒業、三菱銀行(現三菱東京UFJ銀行)入社。99年から為替資金部で欧州担当、米国担当アナリスト、通貨オプションセールスを歴任。2004年チーフアナリスト。10年3月にシティバンク銀行へ移籍。13年5月末からシティグループ証券に所属が移る。機関投資家から高評価受ける。

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