トヨタの10代目「カムリ」乗ってわかった実力 基本から大刷新、不遇のセダン市場へ挑む
トヨタ自動車が約6年ぶりにフルモデルチェンジ(全面改良)して、10代目に生まれ変わった上級セダン「カムリ」。7月10日から日本国内でも販売が始まっている。
もともとは、1980年に国内専用FR(フロントエンジン・リアドライブ=後輪駆動)車の「セリカ・カムリ」として誕生。1982年に現在と同じFF(フロントエンジン・フロントドライブ=前輪駆動)の構造に変わり、車名もカムリとなった。現在はトヨタのFFセダンで最上級にあたる。
アメリカ国産指数ナンバーワンを誇る「カムリ」
いくぶん時計の針を戻すことになるが、今年1月にアメリカで開かれたデトロイトショーでは、豊田章男社長自らが登壇して、トヨタが北米に100億ドルもの大型投資をすると発表したことが大きな話題になった。当然、現地でも話題を呼んだが、それ以上に現地メディアが関心を寄せたのが、6年ぶりに刷新された「カムリ」をアメリカ・ケンタッキー工場で生産することだった。
なぜか? その答えは、意外なほど単純だ。「カムリ」は、アメリカ人にとって「国産車」だからだ。カムリはこれまで世界100カ国以上で累計1800万台以上を販売する中、アメリカは主戦場。2016年まで15年連続で乗用車部門の販売台数トップを獲得。トヨタの米国新車販売の約15%を占める。
客観的なデータでは、Car.comが発表する”American−made Index(=アメリカ国産指数)”において、トヨタ「カムリ」が堂々の1位を獲得している。75%以上の部品を国内調達しているクルマを「国産車」と定義しているのだが、その条件を満たすクルマはわずか7車種のみだという。
だからこそ、トランプ政権への対策として、フォードが早々にメキシコ工場の白紙撤回を宣言したのに対して、メキシコ撤退が難しいと判断したGM(ゼネラルモーターズ)は部品の国産化を謳った。一方のトヨタは、米国内に100億ドルもの投資をすることに加えて、主力セダンである「カムリ」についてアメリカで製造を続けると発表して、アメリカのメディアから拍手喝采を受けた。
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