聖心女子に娘を通わせたいお受験ママの心理 圧倒的な箱入り感!

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家族に存分に愛されて育ってきた子どもたちだけが入学を許されるからこそ、罪を赦す寛容な心を大切にする“聖心らしい教育”が保たれるのだろう。

――ちなみに、初等科の考査で、親はどのような質問をされるのですか?

家族愛が試されるのは、何も子どもたちだけではないのだ。聖心初等科の親子面接では、子どもとの向き合い方を具体的にヒアリングされるらしい。

「例えば、娘がおもちゃが欲しいと言うことを聞かないときに、どうやって解決するかをその場で実演したり。そして親が言ったことを子どもに確認し、理解しているかどうかもチェックされます」

もちろん、ここでの正解は叱責ではない。きちんと何が悪いかを説明し、自責の念を喚起する方法での円満解決である。

綾香さんのお話を伺っていると、聖心が徹底して大切にしていることが何かがよくわかる。

愛と感謝の気持ち、そして正しく善悪の判断ができる心。

それは、これまで取材をしてきたどの学校とも違う素養だ。

「聖心というと箱入りお嬢様のイメージがありますよね。しかし最近は“多様に、グローバルに、よりよく生き抜く”というスローガンが掲げられ、強くたくましい女性の育成を目指しているようです」

白金の一等地に広大な敷地を擁する屈指のお嬢様学校・聖心も、時代に合わせて変革をしているのだろう。

子どもに何を大切にして生きてほしいか

取材班は思った。

当連載で、東京の有名私立小学校におけるお受験模様をヒアリングしてきたが、それぞれにカラーも違えば求められることも違う。

多額の教育費をかけることができる家庭ほど選択肢が広がり、迷う場面も多いのかもしれない。

とはいえ結局、子育てに正解はないし、教育にも正解はない。

親自身が何を大切に思い、子どもに何を大切にして生きてほしいかを突き詰めた先に進むべき道があるのだろう。

「そろそろ娘のもとに帰らないと…」

そう言って眩いダイヤが光るカルティエの時計に目をやる綾香さんに礼を述べながら、取材班はこれから華麗なるお受験に挑む親子に、心の中でエールを送った。

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