聖心女子に娘を通わせたいお受験ママの心理

圧倒的な箱入り感!

「お待たせしました」

現れた綾香さんは、『オーボンヴュータン』の雰囲気にごく自然に溶け込む女性だった。

フリル袖の白トップスに、ラベンダー色のフレアスカートという品の良い装いに、手にはさりげなくフェンディのピーカブー。

ふんわりと柔らかい空気を纏う綾香さんは、小学校から高校まで聖心女子学院(以下、聖心と表記)および内部進学による聖心女子大学のご出身である。

彼女は、自身の2歳になる長女を、同じく聖心に入学させるべく準備しているそうだ。

女性にとって、最も大切なこと

お子様を聖心に通わせたいのは、どういう理由からですか?

取材班の質問に対する綾香さんの返答は、明瞭だった。

「それはやはり、うまくいけば大変な思いをせずに初等科から聖心女子大学まで内部進学できますから」

――そ、そうですよね。

綾香さんの、ゆっくりとした丁寧な口調に他意はないだろう。

しかしながら「大変な思い」をして受験戦争を経験してきた我々にとってみれば、はっきり言って妬ましいことこの上ない話である。

取材班がやりきれぬ思いを消化している間に、綾香さんは続ける。

「それから私自身が聖心で、女性にとって最も大切なことを学んだと実感しているんです」

――女性にとって最も大切なこと、とは…?

「他者への、愛と感謝の気持ちです」

そういう綾香さんの言葉には、とても説得力があった。

というのは、無理を言ってお願いした今回の取材に関しても快諾してくださっただけでなく、依頼メールの返信に書かれていた言葉を、取材班は覚えていた。

そこには「こちらこそ、自身を振り返り子どもの教育について改めて問う良い機会をいただき感謝しております」というようなことが書かれていたのだ。

小さな子どもを抱え忙しい毎日を送っているに違いないのに、そんな中でも他者への気遣いと感謝を忘れない。

取材班が、都内屈指のお嬢様学校を卒業した女性の品位を、垣間見た瞬間であった。

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