獣や魚がどうなのかは知らない。だが古今東西、老若男女、人が悩み、迷うのは確か。“戦う哲学 者”中島義道氏が開く人生相談道場に“同情”はない。ここにあるのは、感受性においてつねにマイノリティーに属してきた中島氏が壮絶な人生経験を通じて得 た、ごまかしも容赦もない「ほんとうのこと」のみ。“みんな”の生きている無難な世界とは違う哲学の世界からの助言に、開眼するも、絶望するも、あなた次第である。
※中島義道氏への人生相談はこちらから
今回は、たいへん難しいテーマです。まさに、私が小学生のときから還暦まで「どうしたらいいのか」と考え続け、悩まされ続けてきた問題でもあります。だから、腰を落ち着けてしっかり答えようと思います。ご相談はいくつかのポイントから成っているように思われます。
(1)「自分がいい人だと信じている人」や「自分に順風満帆な将来が約束されていると信じている人」に腹が立つ。
(2)そのため(か)他人と共感ができない。
(3)こうした頑固な自分が嫌なのだが、変えることができない(が変えたい)。
私もこれまでの人生で強く実感するのは、ほとんどの人が「自分がいい人だと信じている」ことです。お話にある「自分に順風満帆な将来が約束されていると信じている人」は、あなたの年齢では「許せない!」と思うかもしれませんが、しばらく経つと自然にそうであるかないかはわかりますから、放っておきましょう。
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