安倍首相、人事でダメなら「開き直り」解散か 「小池新党」はずしと「補選消滅」の思惑も
今のところ「首相は問題閣僚を一掃した上で、"お友達"も極力外し、首相との距離にこだわらない実務者中心の挙党体制づくりを目指す」(側近)とされる。ここにきて首相に厳しい言葉を投げかけ続けている石破茂前地方創生担当相の閣内取り込みなども「選択肢にある」(同)との見方もあるが、石破氏が受け入れる可能性は少ない。
その一方で石破氏に同調する形で首相の政権運営を「あいうえお」「かきくけこ」などの"言葉遊び"を絡めて批判した中谷元氏の防衛相としての再入閣や、首相と当選同期で日頃苦言を呈する野田聖子元総務会長の重要閣僚への起用もささやかれている。
小泉氏の処遇が「早期解散へのリトマス試験紙」
そうした中、永田町では「8月人事での新陣容に首相の解散戦略がにじみ出る」(閣僚経験者)との見方が広がる。特に、将来の首相候補とされる小泉進次郎氏(党農林部会長)を"目玉閣僚"として厚労相などに抜擢するかどうかが「早期解散へのリトマス試験紙となる」(自民幹部)とみるからだ。逆に、目玉もなく政策通の経験者をそつなく配置する地味で堅実な陣容となれば「首相は来年9月の自民党総裁選後まで解散はしないとのサイン」(派閥領袖)と受け取られる可能性が高い。
一方、公職選挙法によって秋口解散は10月22日投開票が予定される「統一補選」の衆院分を消滅させる。すでに自民党衆院議員の白石徹氏死去に伴い愛媛3区補選が確定していたが、52歳と若い木村太郎衆院議員が7月25日に死去したことで青森4区も補選の対象となった。しかも、秘書への暴言や暴行が刑事事件化している豊田真由子衆院議員が司法の捜査を受けて9月16日までに議員辞職に追い込まれれば、衆院埼玉4区も加わった「トリプル補選」の可能性もある。
現状ならいずれの補選も「自公対野党統一候補」の構図になるとみられるが、23日の仙台市長選で自公候補が野党統一候補に敗れたこともあり、「政局絡みで全国的に注目されれば、仙台の二の舞いにもなりかねない」(自民選対)のが実情だ。その場合「昨夏の参院選以来の国政選で敗れれば、自民党内の"安倍離れ"が加速する」(岸田派幹部)ことは避けられない。
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