安倍首相、人事でダメなら「開き直り」解散か 「小池新党」はずしと「補選消滅」の思惑も
ただ、歴史を振り返ると衆院議員の任期満了に近い解散や任期満了選挙はほとんど政権側の敗北に終わってきたのも事実だ。首相の盟友でもある麻生氏が首相に就任した2008年9月には大手紙が「秋の臨時国会での冒頭解散」を報じた。当時の麻生首相も就任直後の解散断行を模索したが、自民党の独自調査で「与野党五分五分の選挙結果になりそうで、下手をすれば超短命政権に終わる」との情報で断念したとされる。
「この情報を麻生氏に伝えたのは現官房長官の菅氏だった」と関係者は語る。しかし、その後の麻生氏の「漢字の読み間違い」などで支持率は低迷し、任期満了直前の2009年7月の解散、8月末の衆院選で自民党が記録的な惨敗を喫し、民主党政権が誕生した。
すべては首相の「体調」と「覚悟」次第
この反省も踏まえ、かねてから麻生氏は首相に「早期解散断行」を勧めている。一方、菅氏は「現在の超安定勢力を失うような解散には反対」(周辺)とされる。首相は第一次政権時代の2007年夏の参院選で惨敗した。その際、首相に「断固続投」を説き、与謝野馨官房長官(故人)など「出直し人事」の調整役も買って出たのが麻生氏だ。ただ、首相はその後の体調悪化で9月中旬には退陣表明に追い込まれた。現状をみると「何やらデジャブ(既視感)から抜け出せない」(首相経験者)とみる向きもある。
首相にとっての解散戦略は、「目前の『秋口』と総裁選前の『来年夏』と総裁3選後の『来年秋』の3択」(同)とされるが、現実主義者の首相は「一番リスクが少ないタイミングを選ぶ」(同)のは間違いない。ただ、「道半ばのままのアベノミクス」や「混迷が深まる国際情勢」の行方も首相の判断を左右する。そうしてみると「すべては体調も含めた首相の『覚悟』次第というしかない」(側近)のが本当のところだろう。
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