中国人は「新車独特のにおい」が大嫌いだった フォードは「黄金の鼻」部隊を投入して対策
[南京(中国) 20日 ロイター] - 西側諸国のドライバーは、自動車の生産ラインから出てきたばかりの「新車」のにおいを好む。だが中国では、何もにおわない方がむしろ好まれるという。
このような文化的違いにどう取り組むかは、世界最大の自動車市場である中国での売り上げを回復するため「強み」を模索する自動車メーカーにとって鍵となる。
「黄金の鼻」と呼ばれる18人のにおい査定人
例えば、米自動車大手フォード・モーター<F.N>が南京市郊外に構える研究施設には、「黄金の鼻」と呼ばれる18人のにおい査定人がおり、中国と他のアジア地域で販売されるフォード車の内部に使用される材料一つ一つのにおいを検査している。
中国でにおいチェックを行うこと自体は珍しくないものの、このことは自動車メーカーが消費者動向の大きく異なる市場で購入者を引きつけるため、いかに努力しているかを示している。
「北米の人たちは新車のにおいを好む。古い車を新しく感じるように『新車スプレー』を買うこともあるくらいだ。だが、中国では正反対だ」と語るのは、従業員数およそ2300人を抱える前出のフォードの研究施設で材料工学の責任者を務めるアンディ・パン氏だ。
新車のにおいは、中国で並外れた影響を及ぼす可能性がある。自動車業界向けコンサルタントのJDパワーが昨年発表したリポートでは、中国のドライバーが最も懸念するのは、エンジン関連の問題や走行時の騒音、燃費ではなく、不快な車のにおいであることが明らかとなった。