チャリティランナー・大島の"価値"を考える

「芸」をしない芸人に、高額ギャラでは感動できない

ただし、男子はオリンピックや世界選手権の選考レースになっており、国内の有力選手が集結。日本記録を上回るアフリカ勢の参戦もあり、優勝するのはかなりハードといえる。過去7回の東京マラソンで日本人選手が制したのは、わずか1度(4回大会の藤原正和)だけだ。陸上界では「オイシイ」といわれている女子の部でも、東京マラソンを勝つには2時間25分台のタイムが必要。“芸人ランナー”猫ひろしが女性だったとしても、到達できないレベルにある。

大島が挑戦するのは「88kmウォーク」

24時間テレビのチャリティマラソンは1992年にスタート。過去21組のランナーが挑戦したが、西村知美の「ワープ疑惑」などもあり、さまざまな面で日本中の注目を集めてきた。例年、ランナーのフィニッシュシーンの瞬間視聴率が40%近くまでハネ上がるなど、チャリティマラソンは番組の看板企画となっている。

今回の“挑戦者”である大島はバラエティ番組などで大活躍中の33歳。「食ったら寝る、歩きたくない、という生活を続けてきたので、ダメ人間が3カ月でどうなっているかを見届けていただきたい」と意気込み、3カ月で15kgの減量を行うことを決意した。そして、仕事の傍らダイエットに励み、「減量」には成功したようだ。

そんな女芸人・大島が今回は「88km」にチャレンジするという。では、この挑戦がどれぐらい難しいのか? フルマラソンは42.195kmだが、フルの距離を超えると「ウルトラマラソン」と呼ばれる。大島はひとりでウルトラマラソンに挑戦することになるわけで、夜でも気温が下がらない真夏の東京を88kmも走るのは、しんどいことは間違いない。

ただし、その“制限タイム”が問題だ。近年はウルトラマラソンの人気は高く、国内だけでも「100kmマラソン」が20レース以上もある。そのほとんどの制限タイムは「14~16時間」で、東京の暑さを考慮しても、88kmの“制限タイム”が「24時間」もあるというのは、いくらなんでも緩すぎる。参考までに100kmの日本記録は男子が6時間13分33秒(砂田貴裕)で、女子が6時間33分11秒(安部友恵)だ。

また、マラソンではないが、「100kmウォーク」というイベントも日本各地で行われている。こちらの多くは制限タイムが「24時間」。走行距離と制限タイムだけで判断すると、大島が挑戦するのは、「ウルトラマラソン」ではなく「ウォーキングイベント」と言ってもいいだろう。

人類は24時間で何km走れるのか

そんな緩い走りを見せられても、伝わってくるのは「頑張ってる感」だけで、中身がまったくない。個人的に、24時間テレビでぜひ挑戦していただきたいと思っているのが、「24時間走」だ。文字どおり24時間で走る距離を競うレースで、毎年世界選手権も開催されている。

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