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チャリティランナー・大島の"価値"を考える 「芸」をしない芸人に、高額ギャラでは感動できない

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そこに本物の感動があるだろうか。あくまで、チャリティなのだから、そこで自分の頑張っている姿で視聴者のココロをつかむつもりなら、出演料の全額寄付はもちろん、必要経費も自分で賄うべきだと思う。通常、レースに出場するにはエントリー費用(100kmレースなら1万5000円ほど)が必要だし、もし伴走者やトレーナーを雇うなら彼らへの謝礼も不可欠。ウルトラマラソンに出場するランナーは全員がやっていることだ。

いや、これだけのサポートがあって、自分の頑張っている姿が日本中に放映されるなら、これ以上の宣伝効果はない。チャリティであることを考えると、逆に数百万ほどの“出場料”を支払ってもいいくらいだ。

海外のチャリティ番組では、大物歌手だろうがタレントだろうがノーギャラで出演するのが当然だが、24時間テレビはCMが入ることから、その広告費の中から出演者へのギャラを含む番組制作費が組まれているという。募金からギャラが出ているわけではないので、視聴者が文句をいう筋合いはないのかもしれない。しかし、高額なギャラと、ランナーとしてのあまりにも未熟なパフォーマンスを考えると、スッキリとした気持ちにはならない。

芸で地球を救うことができるかはわからないが、芸人なら芸で、歌手なら歌で、一般人にはできないプロとしての“スキル”で、多くの視聴者に「チャリティ」の真心を伝えるべきだ。もちろん、チャリティ番組に見合う“ギャラ”で。

脚を引きずり、苦悶を浮かべた表情で、武道館に現れる大島の姿を想像できるのは筆者だけではないだろう。完全に「計算」されたフィナーレ。賢い読者にはすべてを知ったうえで、大島のゴールを観るかどうか決めてほしいと思う。こんなことを書いているが、当日は気になってエンディングくらいは観てしまうんだろうけど。

なお、24時間テレビは昨年度、11億6847万円もの募金額を集めており、社会的には大きく貢献している。そういう意味では、有名人が担うチャリティランナーの役割は小さくない。24時間テレビは日本で最もメジャーな「チャリティ番組」だけに、世界中に誇れるような番組作りを望みたい。

(撮影:梅谷秀司)

 

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