東京人が知らない北九州発「角打ち」の魅力

これぞ日本が誇るべき文化だ!

そのおじさんが私より先にグラスを干して店を出た後、オーナーに話し掛けてみた。「面白い方ですね。常連さんですか?」すると、オーナーはこう答えた。「実は、彼は○○酒造の杜氏(とうじ)さんだよ」。なんと日本酒好きなら誰もが知っている酒蔵の酒造りの名匠だったのだ。

こういう面白い出会いは何度も経験したことがある。住んでいる福岡市の酒店にも、ヨーロッパの観光客や北海道のビジネスマン、九州大学の教授、テレビの人気タレント、市議員まで、普段は会う機会がないような人たちと会話を交わしてきた。

気をつけたい「暗黙の決まり」

さて、角打ちに行くとき、1つ配慮しなくてはいけないのが、各店舗のルールだ。いわゆる暗黙の決まりというやつである。といっても、そこまで堅苦しいものではないから安心してほしい。まず1つは、多くの角打ちでは、おカネを払ってから飲む、前払い制度が採用されている。

よくあるのがレジではなく、テーブルに置いている小型のかごに代金を入れて、スタッフが飲み物を持ってきたときにそのかごから支払い分を取って釣りをかごに返す(友達や同僚と飲んでいる場合は、参加者が1000円ずつを入れて、なくなったらまた1000円ずつ入れるというやり方が一般的だ)。また、角打ちに入って食べ物だけを頼むことはあまりないので、ビールやコップ酒は頼もう。

つまみが欲しければ、ほかのお客さんを見てまねしたらいい。注文して持ってきてくれる店もあれば、おでんや冷蔵庫の中の小皿を勝手に取って後からおカネを払う店もある。スタッフやほかのお客さんに簡単にあいさつをすると、そこから会話が盛り上がるケースがほとんどだ。

店の雰囲気はそれぞれで、常連客の多いところではちょっと話しかけづらいかもしれないが、角打ちは交流の場なので、力を抜いて楽しんでもらいたい。もう1つ大事なのは、特に小さい角打ちは長居をせず、ちょっと飲んで帰るのが常識。ノンビリと居座るのはできるだけ避けよう。

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