超名門お嬢様学校「白百合学園」の深い教え 親子4代が白百合に通う一族の母校愛とは?
白百合学園といえば、「ごきげんよう」という、2017年の東京ではおよそ聞くことのない挨拶を未だに徹底していることで知られる、都内有数のお嬢様学校である。
どんなお嬢様然とした女性が現れるのかと期待していたのだが、本物の箱入りお嬢様というのは、薫さん然り、必要以上の主張を必要としていないのかもしれない。
薫さんが娘を白百合に入学させた理由
――薫さんは白百合一族だとお伺いしましたが、やはり卒業生のお子様が多いのでしょうか?
学校の公式HPなどには「親の出身校は考慮しない」と明記されてはいるが、そうは言っても……という思いで尋ねてみる。
「そうですね……娘の入学式で同級生を3人見かけましたし、先輩や後輩で見た顔もちらほら。多いといえば、多いのかもしれませんね」
――やはり。
「なるほど」と意味深に頷く取材班の邪推を察知したのだろう、薫さんは慌てて付け加えた。
「白百合出身ママのお子様でも、お受験の日に見かけたのに入学式にいなかった子もいるので……絶対に優遇される、というわけではないですよ」
――娘さんの学校選びは、迷わず白百合、だったのですか?
取材班の質問に、薫さんは意外にも首を横に振った。
「いえ、娘に関しては最初から白百合にこだわっていたわけではないんです。公立に通わせてもいいと思っていて……なので、幼稚園は近所に通わせていました」
薫さんのご主人は埼玉県の出身で、公立高校を卒業後、大学受験で早稲田大学政治経済学部に進学している。
何が何でも私立、という価値観はなく、むしろ公立で様々な環境にある子どもたちと触れ合うことも良い経験になるだろう、と夫婦で話していたそうだ。
しかし、やはり直前になって薫さんの考えが変わったのだという。
「祖母も白百合、母も私も姉も幼稚園から白百合に通っているでしょう。幼い頃から共に過ごした仲間との絆はとても深く、もう家族同然の付き合い。そういう仲間を、娘にも作ってあげたいと思いました」
白百合学園は、幼稚園から大学までを擁する一貫校である。
大学は外に出て行く生徒が大多数だが、それでも幼稚園から高校まで通算15年をともに過ごした濃く太い絆は、社会人になってからも切れることなく続いて行く。
それは裏を返せば、狭いコニュニティで生きる煩わしさもある気がしないでもない。
しかし薫さんにとって白百合で過ごした15年は、娘にも是非同じ経験をさせたいくらい、充実した学生生活だったということだろう。
「偏った世界なのかもしれませんが、実際それで何の不自由もなかったですし。私立に入れる、と決めた時点で白百合以外は考えなかったです。他の学校は見てもいないですね」