超名門お嬢様学校「白百合学園」の深い教え 親子4代が白百合に通う一族の母校愛とは?
公立志向だったご主人も、そもそも薫さん一家が白百合一族ということで「覚悟はしていた」と言ってくれたそうだ。
見られているのは、「わきまえられる」こと
――白百合のお受験で、子どもに求められているのはどういった資質だと思われますか?
白百合学園小学校では、幼稚園から上がってくる60名がそのまま小学校に進学するため、外部から小学校に入学できる枠は60名。
ペーパー試験、口頭試験、そして両親と子どもの三者面談で適性を審査されるのだという。
取材班の質問に、薫さんは印象的な言葉を口にした。
「そうですね……“わきまえられること”を重視している気がします」
――わきまえる、ですか……。
場をわきまえる、分をわきまえる。
それは確かに、人としての品格というべきものだろう。しかしそういう種類の素養を、未就学の子どもに求めるという点が興味深い。
薫さん曰く、お受験の際の、子どもたちの待ち時間の過ごし方やお行儀を、じっくり見られているのだという。
白百合ではお受験の日、全員が同じ時間に集合する。
そのあと何グループかに分かれ試験が行われるが、自分のグループの番が来るまで待つ時間が長いのだ。
「上級生が紙芝居をしてくれたり、遊び道具なんかもいろいろ置いてあるのですが、どう立ち回り、他の子どもたちとどんな風にコミュニケーションをとるか。そこを見ている気がしますね」
白百合学園は従順・勤勉・愛徳を校訓に掲げており、キリスト教的精神に根ざした価値観を養う教育を実践している。
人格の根本は3歳までに形成される、などと言われるが、根っこの部分で自分より他人を優先し「わきまえた」行動ができるかどうか。
しかもそれを試験本番ではなく、取り繕うことが難しい待ち時間に見られているというのだから、普段からの家庭教育がものを言う。
子どもはもとより、母親の良妻賢母ぶりが試されているとも言えるだろう。
「三者面談では、普段どんなお手伝いをしていますか?といった質問や、お母さんの作るご飯で何が好きですか?といったことも聞かれます」
そのほか、口頭試験においても、先生が作ったお弁当の中身を、おもちゃで再現するというような課題もあるのだという。
個性を最大限に生かすことがよしとされる時代に、さすがお嬢様学校、という審査基準である。
取材班は思った。
世の中すべての人間が個性を主張し、闘争心むき出しにしていたら収拾がつかない。
白百合学園に集うような、いわゆる恵まれた子どもたちにおいては、愛徳の精神を重んじ、利己主義を捨てて社会のために生きることこそ使命なのかもしれない。
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