仕事で絶対役立つ「タモリ式」「徹子式」聞き方 「素材集め」段階で、多くの人が失敗している

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■話し慣れていないタイプ

次は、普段ヒアリングやインタビューを受ける経験をあまりしていない人の場合です。前提として、少し長めに時間をもらいます。人には話しにくいプライベートな話、心の痛みに触れる話を聞き出す場合なども同様です。

多くの方にエピソードを聞く手法でまとめた佐藤友美さんの近著『道を継ぐ』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします)

たとえば、先日上梓したビジネスノンフィクション『道を継ぐ』が、まさにこれにあたります。この書籍は、8年前に49歳の若さで亡くなったある伝説の女性について、生前の彼女を知る191人に取材をさせていただき、そのエピソードをまとめたものです。

亡くなった方との個人的で大切な思い出を語っていただくので、少しでも話しやすいように、インタビューではいくつかの工夫をしました。

まず、できるかぎり、仲の良い人たち数人にまとめて話を聞く「グループインタビュー」の形式にしました。昔の思い出というのは、1人ではなかなか思い出しにくいものですが、誰かが口を開いてくれると、どんどん記憶の扉が開いてくるものです。

沈黙の時間を怖がらない

また、相手が多くの人に語っていない話を聞き出したいときには、最初にこちらが自己開示をします。「実は私にもこんな経験がありまして……」と伝えることで、相手も心を開いてくれる可能性が高まります。心理学ではこれを「返報性の原理」といいます。「聞く」だけではなく、こちらも「話す」ことで、相手にも「話してあげよう」と思ってもらえるのです。

そして何より大事なのは、相手が考えをまとめているときにおきる「間」を怖がらないことです。相手が言葉を選んでいるときに「たとえば●●みたいなことはありませんか?」などと、こちらが答えを誘導してしまうと、せっかくのオリジナリティのある言葉を引き出せなくなります。話し慣れていない人には、沈黙の時間も、必要な時間だと思って、ゆったり構えましょう。

次回からも「書く」ことが楽になる、ちょっとしたコツについてお話しいたします。

佐藤 友美 ライター・コラムニスト

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さとう ゆみ / Yumi Sato

1976年北海道知床半島生まれ。テレビ制作会社のADを経て文筆業に転向。元東京富士大学客員准教授。

書籍ライターとして、ビジネス書、実用書、教育書等のライティングを担当する一方、独自の切り口で、様々な媒体にエッセイやコラムを執筆している。

著書に8万部を突破した『女の運命は髪で変わる』(サンマーク出版)、『道を継ぐ』(アタシ社)など。理想の男性は冴羽獠。理想の母親はムーミンのママ。

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