「夜遊び振興」こそ日本経済を救う最終戦略だ ナイトタイムエコノミーを活性化せよ

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──諸外国に先例がありますね。

ロンドンは昨年8月から地下鉄の24時間運転を開始した。従来は市営バスが深夜運行を担ってきた。市としては、地下鉄の深夜時メンテナンスと騒音問題という2大課題を解決し、オリンピックを契機に運行しようと画策した。結局、具体的な構想発表はオリンピックの2年後、本格実施はそれからさらに2年後の昨年になった。

──ニューヨークは?

1904年開業のニューヨークの地下鉄は、2~3年後には全域で終夜運転を始め、インフラ自体も初めから複々線で建設され、問題がない。日本では猪瀬都政時代に深夜バスで終夜運行を試みたが、一応失敗したという総括になっている。実験のやり直しが必要だ。

──私案ではJR山手線が実験候補なのですか。

いきなり山手線の全線で24時間営業とはいかないから、終電を少しずつ延ばしていって、どこまで採算が合うか、きちっと社会実験をする。主要ターミナルから郊外へのバス連結を同時に進める。実証が大切だ。現知事が以前の失敗をどう総括して新しく動くか。政治的には結構難しい。

観光を産業としてとらえ、消費機会を増やす

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──日本では東京や大阪が先陣?

24時間経済という意味では大都市経済でしか回らないが、「夜の経済」の拡充という意味では地方の中小都市でも有効だ。特に観光客を受け入れる地域にとっては寝る時間以外はずっとおカネを使ってほしいはず。今は経済にとってもったいないあり方だ。施策の判断においても消費金額の観点が少なすぎる。観光を客数でとらえがちだが、産業としてとらえ、消費機会を増やしていくことだ。

──統合型リゾート推進の背景にその発想がある?

内容が具体的に固まりつつある。年末までには実施法案が出てきて、これから1年以内に決着がつく。統合型リゾートはナイトタイムエコノミーの振興にニアリーイコールでつながっている。都市に足りない深夜の振興機能の複合体のようなもので、それを取り込んだ都市はナイトタイムエコノミーが間違いなく振興される。

塚田 紀史 東洋経済 記者

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つかだ のりふみ / Norifumi Tsukada

電気機器、金属製品などの業界を担当

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